移動手段などの問題で役所に出向くことが難しい人たちにも行政サービスを提供しようと、大分県臼杵市は2026年度から、窓口機能などを備えた車両での移動型行政サービス「どこでも市役所」を始める。車両は18の旧小学校区を巡回してマイナンバーカードの手続きやオンライン相談を受ける予定だ。
高齢者らの負担軽減
現状、行政サービスは市役所本庁舎か野津庁舎のどちからに足を運ぶ必要がある。だが、人口減少に伴い公共交通機関の運行数が減少。庁舎から離れた中山間地域の人や運転免許証を返納した高齢者らにとって、移動の負担が大きくなっている。
そのため市は、住民側に出向き、最新のデジタル技術を活用することで必要な支援を届けようと導入した。
マイナカード更新や福祉相談
車両は10人乗りのバンで、後部に二つのテーブル席があり、市役所とオンラインでつないだパソコン2台が配備されている。市職員が乗り込み、対面でマイナンバーカードの更新や印鑑登録といった手続きを行うほか、庁舎にいる職員がオンラインで福祉相談なども受け付ける。
導入を支援するトヨタ自動車とソフトバンクなどの合弁会社「MONET(モネ) Te(テ)ch(ク)no(ノ)lo(ロ)gie(ジー)s(ズ)」(東京)によると、全国では佐賀県唐津市など32自治体が導入しているが、県内では初めてだという。購入費は約1900万円で、全額、国の過疎地域持続的発展支援事業交付金を活用した。
4月の市議選で期日前投票所として利用後、稼働する。市は運行しながら利用者の意見を聞き、現金の取り扱いが必要な証明書の交付などの機能の充実にも取り組むとしている。
2月24日、市役所で出発式があり、西岡隆市長が「過疎地域といわれる場所でも不便を感じることなく、安心して暮らし続けられる街をつくりたい」とあいさつ。同社の清水繁宏・社長兼最高経営責任者(CEO)(63)は「想定されているもの以外にも、罹災(りさい)証明書の発行など、様々な可能性を秘めている」と話した。
式後、市浜地区コミュニティセンターに移動し、西岡市長や市職員らがマイナンバーカードの更新などを実演した。







