医療従事者に感謝を込めて APU学生が別府の湯を福岡にお届け!

西福岡病院に温泉の湯を届けた村上さん(右)

 新型コロナウイルスとの闘いが長期化するなか、感染リスクと隣り合わせで働く医療従事者に感謝の気持ちを伝えようと、大分県別府市の学生たちがクラウドファンディングで資金を募り、福岡県内の病院関係者に温泉の湯を届けました。医師や看護師たちはそれぞれの自宅で、湯の街・別府の温泉を楽しみました。


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クラウドファンディングで実現


 別府市は2000以上ある源泉から毎分8万7000リットル超の湯が湧き出る全国有数の温泉地です。源泉数、湧出量とも日本一で、多様な泉質があることでも知られます。


湯けむりがたちのぼる別府の温泉街

 湯の配達を企画したのは、立命館アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)の学生6人と准教授でつくる「おうち温泉とどけ隊」です。「見えない敵と闘い続ける医療従事者に癒やしと感謝を届けたい」との思いから活動がスタートしました。


「おうち温泉とどけ隊」の学生たち

 クラウドファンディングで広く協力を求め、65人から47万9000円が寄せられました。別府市の観光PRなどを担う一般社団法人「B-biz LINK(ビービズリンク)」が、「別府おんせんおみや」として全国に温泉を配達しており、その協力も得ることができました。


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別府の湯が福岡の病院に到着!

 配達には、4トンの湯を運べる保温タンクを備えた専用トラックを使用。11月14日の早朝、別府市内の源泉から湯をくみ上げ、高速道路で福岡へ向かいました。


早朝から行われた温泉のくみ上げ作業

 トラックはタンク内の湯を55度に保ったまま、福岡市西区の西福岡病院に到着。学生代表の村上真生さんが川上豪仁副院長に、風呂おけに入った湯を手渡しました。


西福岡病院に到着したトラック

 村上さんは「新型コロナの感染者がまた増えており、これからも忙しいと思う」と医療従事者を気遣い、「温泉の効能で癒やされてくれたら」と話していました。今後も、九州を中心に温泉の配達を続けるということです。


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学生たちの気持ちに「最高です」

 今回、トラックは2日間かけて福岡県内の医療従事者宅10軒に温泉を届けました。最初に給湯を受けた川上副院長の自宅まで同行させてもらいました。


川上副院長の自宅に到着したトラック

 トラックが着くと、学生たちは浴槽までホースを伸ばし、湯船に温泉を注ぎました。そのままでは熱いので、水を足して適温に調整します。


くみ上げた時とほぼ同じ温度で届いた温泉

 川上副院長は「浴室の外まで温泉の香りがする」と上機嫌です。湯船いっぱいに張られた温泉にゆっくり身を沈め、村上さんが「湯加減はいかがですか?」と浴室の窓から問いかけると、「最高です」と満足そうな表情を見せました。

 入浴後、「まさか自宅で別府の温泉が楽しめるとは思いませんでした。明日からまた頑張れそうです」と喜んでいました。


村上さん(左)からの問いかけに答える川上副院長


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