【山口】長州酒造の日本酒「蛍天」 品評会で世界の頂点に!
長州酒造(山口県下関市菊川町)の日本酒「天美(てんび) 純米吟醸 蛍天(ほたてん)」が、世界的なワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2026」の日本酒部門で最高賞「チャンピオン・サケ」に輝いた。IWC運営会社(英ロンドン)の代表者の表敬訪問も受け、岡本晋社長は「世界一のタイトルは身に余る光栄。従業員や関係者の皆さんに感謝したい」と喜びをかみ締めている。(平木和頼)
老舗の事業継承 酒造り7年目で快挙
長州酒造は、太陽光発電システム製造・販売を主力とする長州産業(本社・山口県山陽小野田市)のグループ会社で従業員は16人。日本酒は「天美」銘柄で展開している。このうち蛍天は、蛍の季節に合わせた「夏酒」として、毎年4月下旬頃から期間限定で販売する微発泡酒。アルコール度数は13度とやや低めに設定してある。
創設20周年を迎えた今年のIWC日本酒部門には、457社が計1738銘柄をエントリーした。審査は5月に広島県で行われ、蛍天は青リンゴのような華やかな香りや、まろやかな甘みなどが高く評価され、純米吟醸部門の最高賞「トロフィー」を獲得。9月上旬にロンドンで行われた授賞式で、日本酒の全部門の中から最高賞「チャンピオン・サケ」に選ばれた。
蛍天の今年の生産量は4合(720ミリ・リットル)瓶換算で約1万本分。人気が高く、同賞受賞時点で売り切れ状態だったという。
世界に名をはせた長州酒造だが、その酒造りは意外にもまだ7年目だ。長州産業は、菊川町で1871年から続いた児玉酒造の事業を継承。新たに整備した酒蔵で2020年に酒造りを始めた。同酒造は「長門菊川」の銘柄で知られたが、2000年代前半から醸造そのものはやめていたという。
「新しい工夫を凝らした酒造り」
一からのスタートとなった長州酒造は、酒蔵に最新設備をそろえ、試行錯誤を重ねて商品を開発。現在では期間限定を含め、十数種類をラインアップしており、国内外の品評会などで数々の受賞歴を誇る。
表敬訪問したのはクリス・アシュトン代表で、10月5日に長州酒造を訪ねた。岡本社長らの案内で、12基のステンレス製仕込みタンクなどが並ぶ酒蔵を巡り、従業員の仕込み作業などに熱心に見入った。
終了後、アシュトン代表は「地元の素晴らしい水の活用方法や、科学的な知見に基づく醸造に感銘を受けた。天美は世界の人を引きつけ、下関市や山口県を盛り上げるアイコンになれる」と話した。
岡本社長は「伝統を大切にしながらも縛られず、新しい工夫を凝らした酒造りを進めている。今後も地道に取り組み、全国、そして世界の人たちにおいしい酒を届けていきたい」と力を込めた。




