「希望のまち」プレオープンへ 抱樸の奥田理事長に聞く

 特定危険指定暴力団工藤会の旧本部事務所跡地(北九州市小倉北区)に10月31日、NPO法人抱樸(ほうぼく)が整備した複合型福祉施設「希望のまち」がプレオープンする。誰もが利用できる交流スペースや相談窓口などを設け、世代や肩書を超えて人々がつながり、支え合う共生社会の拠点を目指している。奥田知志理事長(63)に、施設に込めた思いを聞いた。(饒波あゆみ)

家族のように支え合う場に

 ――施設の概要を教えてほしい。

 「昔の日本家屋は囲炉裏があって、その周りに家族が集まり、わら仕事や繕い物をしたり、子どもを世話したりした。1階の大広間は、まさにそういう空間にしたい。児童らの放課後等デイサービス、誰でも利用できるレストラン、音楽スタジオを備え、図書スペースでは著名人の選書を読める」
 「2、3階は、生活困窮の人らが利用する救護施設だ。住民も利用できるお風呂を3階に設けていて、お風呂に行くには救護施設を通るので、地域の人と施設利用者が必然的に出会う設計にもなっている」


「希望のまち」について語る奥田理事長=足立浩史撮影


 ――誰もが訪れ、交流できる場所を目指す理由は。


 「年齢も国籍も、障害の有無も関係なくごちゃまぜなのが街の基本だ。矛盾や対立も起こるだろうが、人間は自分と違うものに出会うことで変化し、未知の世界に踏み出すこともできる。同じような人だけで集まっていては成長できない。元路上生活者の経験も誰かのためになるはず」

 ――家族のようなつながりを目指しているのはなぜか。

 「国によると、全世帯に占める単身世帯の割合は、2020年に全国で38%。50年には44%に達するという推計がある。介護や入院の手続きなどを担ってきた家族が身近にいない人が増えていく状態だ。だから家族機能を社会化する。つまり、地域に『なんちゃって家族』をつくる」
 「家族の役割は、気づきとつなぎだ。一緒にいるからこそ、ささいな変化にも気づくことができる。日本では、何かあった時に近所に相談する意識は薄く、地域も身内の問題には介入しない。この場所を拠点に、様々なことが手遅れにならないように、単身でも安心して過ごせる地域づくりに挑戦していく」

誰でも参加できる内覧会や講演

 希望のまち(北九州市小倉北区神岳1)は10月31日にプレオープンし、誰もが参加できる内覧会や、「『希望』とはなにか」をテーマとする講演と対談が行われる。

 内覧会は午前10時~午後2時、20分ごとにスタッフが施設を案内する。同3時からは、武内和久市長が講演。その後、抱樸の奥田知志理事長と、支援者で村上ファンドを率いた村上世彰さんの対談も行われる。

 予約不要、参加無料。問い合わせは抱樸(093-653-0779)へ。


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