電車を降りたら「川下り」 西鉄柳川駅西口前に乗船場を整備
西日本鉄道が西鉄柳川駅前に開発する「にぎわい交流施設」の完成イメージ図=同社提供
福岡県柳川市と同市観光協会は、西鉄柳川駅西口周辺の整備事業が2027年6月に完了した後、西口前に設ける乗船場から観光客をどんこ舟に乗せ、川下りを楽しんでもらうことを決めた。26年11月には、円滑な運航につなげるための実証実験に着手し、本格実施に向けた課題を探る。運航各事業者の足並みがそろわず、実現が危ぶまれていたが、展望が開けてきた。
観光振興に!高まる期待
同駅から現在の乗り場までは数百メートル離れている。電車などで訪れた観光客がすぐに乗船できるようになれば、大きな観光振興策につながる、と関係者は期待している。
福岡県と柳川市、西日本鉄道は19年度から同駅周辺整備事業に着手。当初、25年3月に完了する予定だったが、西鉄の工事着手の遅れから27年6月にずれ込んでいる。
同事業では、県は、掘割を二ツ川から駅前まで約110メートル延伸し、10月末までに乗船場を兼ねた親水広場を設ける。市は、新たな掘割周辺の市道や照明灯などを27年3月までに整備する。西鉄は、観光案内所や飲食店、宿泊施設が入る2階建ての「にぎわい交流施設」の建設に着手しており、27年6月の完成を目指している。
新たな柳川ファン獲得へ
一方、どんこ舟の運航事業者の組合がないため、市と観光協会は7事業者と「連携協議会」を設け、駅前からの運航について話し合いを続けてきた。
市などが23年に示した案では、観光協会が客の予約を一括して受け付け、料金を徴収し、登録した事業者が運航する。観光客の満足度を高めるため、柳川の歴史や文化を学んだ船頭を「マイスター」に認定する制度の導入も提案した。
これに対し、事業者側は「船頭が不足している」「マイスターの育成まで自前で行うことは難しい」「特定の事業者だけが恩恵を受けるのではないか」などと難色を示していた。
しかし、マイスターの研修は観光協会が担うことなどを決めたことに加え、事業者側も「柳川の新たな魅力づくりのために」などとして、26年度に入り、駅前からの共同運航に参加する意向を示した。
市などは7月以降、各事業者に対し、運航1回当たりの報酬や、守るべきルールについて説明を続けており、近く基本協定の策定を目指す。
実証実験では、新たに導入した乗船予約や顧客情報管理を行うためのシステムを使ったり、客の反応を見たりしながら、駅前から沖端地区まで約4キロの間に、途中下船できる多様なコースを設定するなどして運航する予定だ。
駅前に引き込んだ掘割と乗船場の活用について、市観光課の担当者は「川下りの乗船場としてだけではなく、カヌーやサップなどのイベントを開催する『親水の場』として、市民に親しんでほしい」と話した。
本格実施後、当面は予約制で乗船客を募り、将来的には30分ごとの定期運航を目指すという。事業者の一人は「この取り組みが新たな柳川のファン獲得につながれば」と期待している。







