地域の魅力を「ガチャ」に詰めて 柳川、みやま市の観光協会

ヤナトモガチャ、街ガチャで地域の魅力を発信 (柳川市観光協会、みやま市観光協会提供)

 福岡県柳川市とみやま市の観光協会が、レバーを回すとカプセルが出てくる「カプセルトイ」を活用し、それぞれの市の魅力を発信している。柳川市は神社や市内店舗が協力する特典付きチケットでリピーターの増加を図り、みやま市では伝統玩具やたこ焼きの老舗「八ちゃん堂」などを題材にしたキーホルダーが予想を上回る人気だ。

柳川 ▶ 三柱神社やお店の特典も

 柳川市の観光拠点・沖端地区にある柳川市観光協会に11月初旬、「ヤナトモガチャ」が設置された。料金は500円。カプセルには、有明海に生息するムツゴロウや、歓迎を意味する方言「おいでめせ」などと書いたステッカーと、神社や店舗で利用できるチケットが入っている。

 全10種類。三柱神社のチケットは500円の御朱印を無料か、2000円のオリジナル御朱印帳の1000円割引を選択できる。石橋鉄工所では持参したタンブラーや水筒に自分の名前を刻印してくれる。


柳川市観光協会に設置されたカプセルトイ


 他には、イチゴ農園「soil select farm」はあまおうのジェラート、「鶴味噌(みそ)醸造」は万能旨辛(うまから)たれ「相撲味噌」の無料券といった具合だ。チケットではそれぞれ、神職や接客担当の店員のメッセージも紹介している。


 同協会の西田美織さん(27)は「ガチャをきっかけに、なじみの場所が増えれば、何度も柳川を訪れたくなるのでは。人と人をつないで柳川ファンを増やしたい」と張り切っている。

みやま ▶ 「八ちゃん堂」も登場!

 みやま市観光協会が市地域おこし協力隊と一緒に用意したのは「街ガチャ」だ。「日本ガチャガチャ協会」の協力で7月中旬、道の駅みやま、市総合市民センター、JR瀬高駅、清水山荘、長田鉱泉・田中羊羹(ようかん)本舗に設置した。

 キーホルダーは八ちゃん堂の車のほか、市のマスコット「くすっぴー」や野鳥のキジをかたどった木製の玩具「きじ車」など11種類。1回300円で、QRコードをスマートフォンで読み込んで装置を動かす。


みやま市観光協会の「街ガチャ」のキーホルダー


 最初の1か月で約1000個、累計で予想の倍以上となる約2700個を売り上げたという。同協会は「硬貨を使わない便利さとキーホルダーのかわいらしさが人気。11種類を全部集めようと、ひそかなブームになっているらしい」と手応えを感じている。


福岡県内各地で盛んに
 カプセルトイを地域活性化につなげる取り組みは福岡県内各地でも盛んだ。
 北九州市では、旅行ガイドブック「地球の歩き方」とコラボした「キタキューコレクション」の第2弾が11月から販売されている。
 「門司港駅」「資さんうどん」といった市内の名所、名物から作った8種類で、このうち「北九州モノレール」は地元の小倉商業高がデザイン企画を担った。1回500円で、くまざわ書店アミュプラザ小倉店や小倉城などで購入できる。
 2月にスタートした第1弾は累計2万個を売り上げた。企画・販売する「ソライロ」(北九州市)の担当者は「ガチャは新しい地域のPR手段になった」と話す。
 糸島市では2024年12月、九州産業大の学生が企画した「糸推しグルメガチャ」が、糸島市観光協会内に期間限定で設置された。1回500円で最大2000円分のクーポン券が当たる。市内の飲食店10店舗で利用でき、あっという間に売り切れたという。


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