【鹿児島】伝統行事継承へ 薩摩川内市が「応援隊」始動!
鹿児島県薩摩川内市は、人口減少や少子高齢化で担い手が不足する地域の伝統行事などの参加希望者を募って開催を支援する「さつませんだいスマイル応援隊」の取り組みを進めている。応援隊の手を借りて伝統を守り、参加者が地域と関係を築くことで関係人口の増加にもつなげたい考えだ。今年度試験的に運用を始め、課題を整理して、2026年度から本格的に始動する方針。
参加募集で小中学生参加
今年の元日の午前0時。新年を迎えた大宮神社(薩摩川内市入来町浦之名)で入来神舞(かんまい)が始まった。同神社で年に2回行われる例祭で奉納される舞で、五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを願う。戦争で一度途絶えたが、1950年代に有志が復活させた。
今回は保存会メンバーの人手不足で、参加者を募ったところ市内の4人が応募。このうち3人は小中学生の兄弟だった。入来町出身で自身も子どもの頃に参加した宮脇育代さんが市の広報で募集を知り、息子たちが参加することになった。
中学3年の長男・輝(ひかる)君と、小学6年の次男・翼君は「十二人剣(つるぎ)」に登場し、剣を手にして舞を奉納。小学2年の三男・悠(はるき)君が「杵舞(きねまい)」で登場すると、かわいらしい姿に参拝客から歓声が上がった。
出番を終えた輝君は「初めてで緊張したが、貴重な体験ができた」と満足げな様子。宮司で入来神舞保存会の是枝政文会長(72)は「応援隊に来てもらって助かった」と一安心していた。
6年ぶり実施も
昨年11月23日には、慶長の役で犠牲になった兵士の妻らが踊ったのが起源とされる、同市久見崎町の「久見崎盆踊(想夫恋(そうふれん))」が6年ぶりに行われた。コロナ禍や高齢化による担い手不足で再開できずにいたが、応援隊5人の手を借りて、無事実施にこぎ着けた。
踊り手として参加した市内の永田睦子さんは、民俗芸能に興味があり、募集を見て応募した。「地域のみなさんが継承するために一生懸命励んでいることがわかった。想夫恋や地域のことを知ることができてよかった」と振り返る。
今年度は応援隊全員が市内からの参加だった。市は市外からの参加も受け入れたい考えだが、平日に何度も通うのは難しいなどの課題もある。
市企画政策課の担当者は「参加者の満足度は高かった。活動に興味がある人に効果的に発信し、参加につなげていきたい」と話している。




