年齢を重ねて輝く みやま市で女性たちの「薫風の彩り6人展」

合同で作品展を開く女性作家たち

 創作布人形や七宝焼、ネックレスなどの装飾品づくりを長年続けている福岡、佐賀両県の70、80歳代の女性作家たちが11月2、3日、福岡県みやま市高田町海津の「雑木の庭 武蔵野」で合同企画展「薫風の彩り6人展」を開く。「武蔵野」で偶然知り合った作家たちが、それぞれ作品を持ち寄る企画展。「違うジャンルの作品が会場を彩る。年齢を重ねて実現できる楽しい雰囲気を感じてほしい」と期待している。

11月2、3日に「雑木の庭 武蔵野」で

 大牟田市の岩本みや子さん(75)は「手作り工房」を経営。中学生の頃からデザインや絵画が得意で、読売国際漫画大賞を受賞するなどして活躍した夫・しんじさんの影響で40年ほど前から、端切れでタペストリーやリースなどを作ってきた。小石に猫などを描いた置物も制作する。

 みやま市の北村真弓さん(82)も約40年前から、レースのエプロンや敷物などを手作りし、作品は福岡市など市内外の店舗で販売された。ボランティア団体の活動に専念し、中断時期もあったが、数年前に創作活動を再開した。


江口さんが作った創作布人形


 個人から注文を受け、亡くなった家族らの人形を作っているのは佐賀市の江口美千代さん(78)。モデルの人物とそっくりな精巧な作りで知られる人気の人形作家だ。今回は「昭和の懐かしさを再現したい」という思いから、農作業や縫い物をしたり、子守をしたりするお年寄りを表情豊かな人形に仕上げて展示する予定という。


 同市の田代睦子さん(86)は、金属素地にガラス質のうわぐすりでデザインを施し、約800~900度の高温で焼き上げる伝統工芸・七宝焼の作家。独特の光沢と鮮やかな色合いが魅力で、自宅に大小の窯を備え、美しい作品に仕上げている。

出会いの場で企画展 「素敵な空間に」

 岩本さんらは昨年以降、武蔵野で開催された展示会や敷地内のカフェで出会い、親しくなった。互いの創作活動を知って盛り上がり、今年6月、他の作家2人も加わり、「武蔵野はみんなが好きな場所。ここで一緒に作品を展示したら、素敵な空間になるはず」と意見がまとまった。


緑ゆたかな「武蔵野」の敷地 (2025年8月撮影)


 6人は武蔵野に集まり、展示に向けて準備を進めている。岩本さんは「高齢になっても、こうして新たな出会いがあり、一緒に作品を並べ、楽しめることが何よりもうれしい」と喜ぶ。


 展示会場は広葉樹と草花に囲まれた母屋内の1階。江口さんは「こんな場所で展示したいと思っていた。多くの人に作品を見てもらいたい」と楽しみにしている。


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