「泊まれる産地」 久留米絣を体感できる滞在拠点が広川町に誕生

久留米絣の壁飾りや寝具などが並ぶ室内(シングルルーム)

 福岡県の筑後地方を代表する伝統工芸品で、重要無形文化財の「久留米絣(かすり)」を身近に感じてもらう宿泊施設「泊.Orige(はく。オリゲ)」が広川町に誕生しました。滞在中は、久留米絣の部屋着や寝具などで織物の風合いを体感したり、自転車で周辺の工房などを巡ったりでき、地域の繊維文化を発信する拠点として期待されています。

滞在・創作・体験の拠点に

 施設は2018年、広川町が木造2階建ての空き家を改修し、町での暮らしや仕事を体験する移住促進拠点「Orige」として整備しました。オリゲとは、筑後地区の方言で「自分の家」を意味します。


リニューアルオープンした「泊.Orige」

 織物に関心を持って町を訪れる国内外の観光客らが増えてきたことから、施設の改修に着手し、滞在・創作・体験を通して産地の"空気"を肌で感じてもらう「泊.Orige」として26年5月にリニューアルオープン。10の織元がある同町で、久留米絣の魅力を発信し続けている坂田織物に運営を委託しました。


宿泊者に貸し出す自転車

 施設では、宿泊者に貸し出す自転車を用意しており、宿泊予約時には周辺の工房見学などの相談を受け付けます。敷地内の倉庫には、地元の子どもらを対象にワークショップなどを開催するラボも開設しました。

部屋着も寝具も久留米絣


久留米絣のクッションなどが並ぶ多目的ルーム

 「泊.Orige」の宿泊人数は最大10人。1階にファミリールーム(最大3人)、2段ベッドが2台あるドミトリールーム(相部屋)、共用の多目的ルームやキッチンなどを配置しました。2階にはシングルルームが3室あります。「泊まれる産地」のコンセプト通り、久留米絣の部屋着でくつろげる施設内は、寝具やクッション、壁飾り、カーテンに至るまで絣の魅力を存分に堪能できる空間になっています。


2段ベッドが配置されたドミトリールーム

 宿泊者が旅の感想を書き込む宿帳には「東京の生活で忘れていた空の広さに癒やされました」「人が温かく最高です」といったコメントが寄せられています。


「泊.Orige」の表札


 坂田織物は「浴衣仕立て合宿」など、織物の世界に触れられる様々な企画を計画しています。同社部長の坂田由香理さんは「地元の人たちにも泊まっていただき、町内外の人がつながる拠点に育てていきたい」と意気込み、町の担当者は「観光振興や関係人口の創出にも期待したい」と話しています。


<泊.Orige>
 福岡県広川町吉常30-2。1泊料金(税込み)はドミトリー(1ベッド)2750円、シングル5500円、ファミリー(1室)8800円。簡易ベッドなどのオプション(有料)あり。問い合わせは専用ダイヤル(070-3821-9175)へ。


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