割れにくい!使いやすい! 代替粘土で高取焼どんぶりを製作
納品したどんぶりを手に笑顔を見せる鬼丸さん(左)と「あずみうどん」の白石社長(大刀洗町で)
伝統的な陶器に適した粘土の枯渇が懸念される中、福岡県東峰村に伝わる高取焼の窯元が県などと協力して、廃棄される鉱物を混ぜた「代替粘土」を開発し、高取焼のどんぶりを製作した。県内のうどん店に納品され、「割れにくく、使いやすい」との評価を受けている。
廃棄される規格外鉱物を混ぜて
どんぶりを製作したのは、東峰村にある「鬼丸雪山窯元」の鬼丸祐輔さん(53)。同村には約400年の歴史がある高取焼や小石原焼の窯元が40軒ほどあり、村の小石原地区で採れる鉄分が豊富な粘土が原料に使われている。
鬼丸さんによると、長年の採掘で粘土が採れる場所が山奥に限られてきた。窯元の高齢化で採掘作業も困難になってきたという。「将来、粘土がなくなる」という不安から、県工業技術センター(筑紫野市)などと代替粘土の共同研究を行っていた。
材料として着目したのが、ガラスや建材の原料となる「硅砂(けいしゃ)」だった。小石原の粘土と同じく耐火性に優れ、嘉麻市の鉱山では、粒子が細かすぎて月500トンが規格外品として廃棄されていた。これを小石原の土と混ぜ、2025年に陶芸用粘土を開発。県の外郭団体・県リサイクル総合研究事業化センター(北九州市)の支援も受け、試作を重ねてきた。
「伝統の灯を絶やさない工夫を」
今回、高取焼の製法で7寸サイズ(直径約21センチ)のどんぶりを製作。大刀洗町の「あずみうどん」から注文を受けて量産し、25年末と26年2月に計150杯を納品した。どんぶりは深いあめ色の発色で、うどんのスープがきれいに見えるように工夫したという。
すでに店舗で使われており、同店を経営する有限会社「安曇」の白石直樹社長は「焼き物の雰囲気はそのままで欠けにくさ、割れにくさを感じる」と好印象を持つ。鬼丸さんは「低温でもしっかり焼き固まるのが特徴」と説明する。
開発された代替粘土は25年から販売されている。今後、高取焼以外の陶器への活用も想定しているという。鬼丸さんは「伝統とは未来に残すものであり、その灯を絶やさないよう工夫を続けたい」と語った。







