【佐賀】養殖カキ全国大会 太良の境田さんが初の最高賞
佐賀県太良町の竹崎漁港を拠点にカキ養殖などを行う宗徳丸の境田耕治さんが、養殖カキのおいしさを競うイベント「全国牡蠣(かき)―1グランプリ2026」の「生食の部シングルシード方式部門」で初めてグランプリを受賞した。境田さんは「有明海のおかげ。これからは世界に通じるカキを作っていきたい」と決意を新たにしている。
濃厚な味わい評価
同グランプリは2月下旬に東京・豊洲市場で開催された。稚貝を1個ずつかごで育てる養殖方法「シングルシード方式」で育てたカキによる同部門には、34人が出品。料理人や市場関係者らが審査員を務め、境田さんが育てたカキ「秋月(しゅうげつ)」は、ぷりぷりとした食感やえぐみがなく濃厚な味わいが評価された。
境田さんは塩田工高卒業後、父と同じ漁師となった。2025年に牡蠣―1グランプリの関係者から誘いを受けて出品したが「ぼろ負けだった」という。
ほかの産地のカキのすごさを体感し、「このままではだめだ」と一念発起。研究機関から新しい品種の稚貝を購入し、自身で「美しい言葉だから」と秋月と名付けた。時には養殖場で徹夜し、フジツボを削るなど丁寧に世話を続け、グランプリ受賞につなげた。
通年で収穫が可能
竹崎漁港では「竹崎カキ」というブランドで養殖カキを売り出してきた。12~4月が収穫期だった竹崎カキと異なり、秋月は年間を通して収穫することができる。境田さんは「新しいカキの養殖方法を漁港の仲間と共有していきたい」と話す。
中学1年~大学3年の息子4人の父でもある境田さんは、「最近は後を継がせられないという漁師が多い。有明海でおいしく育つことがわかった秋月が、希望になってくれたら」と期待を込める。
境田さんは4月27日、県庁を訪れて山口祥義知事にグランプリ獲得を報告し、「一つずつ丁寧に育てており、全国の生産者がとりたい部門で選ばれた」と胸を張った。
山口知事は境田さんの養殖したカキを試食し、「味に深みがあっておいしい。もっと佐賀のカキをPRしないと」と話していた。




