【佐賀】SAGAラーメンをブランドに!県がプロジェクト

 佐賀のラーメンをブランド化し、魅力を国内外へ発信する「SAGAラーメンプロジェクト」に、佐賀県が2025年度から取り組んでいる。知名度の高い福岡県の久留米や博多のラーメンなどと差別化を図り、愛好家や観光客を呼び込もうと力を入れる。

豚骨!中太麺!生卵!


一休軒本店でラーメンを作る大串高志さん(左)と妻の万里子さん


 白濁した豚骨スープに中太の柔らかい麺を使用し、生卵をのせるのが「佐賀ラーメン」の特徴。このスタイルは現在、佐賀市若楠で営業する「一休軒本店」で生まれたとされ、3代目の大串高志さん(75)によると初代の父・進さんが考案したという。


一休軒本店の「佐賀ラーメン」


 きっかけは、1958年のプロ野球日本シリーズ。福岡市に本拠地があった西鉄ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)と巨人が対戦し、西鉄は3連敗後の4連勝でシリーズ3連覇を飾った。西鉄ファンだった進さんは大喜びで、お祝いに「特別なラーメンを作りたい」と考え、チャーシューをどんぶりの縁に花びらのようにトッピングし、生卵を真ん中に落とす「特製ラーメン」を完成させた。


 卵がまだ高級品だった時代で、値段は普通のラーメンより高かったが評判を呼んだ。店は繁盛店となり、高志さんが大学生だった1970年代には正月の3日間で約3200杯売れることもあった。一休軒で働いた人たちが独立する際、生卵を落とすスタイルを受け継ぎ、佐賀で広まったという。

観光、経済活性化に期待

 県は、佐賀ラーメンのほか、しょうゆや塩味のラーメン、つけ麺など地元で愛される多様な麺を新たに「SAGAラーメン」と定義。ラーメンは国内外で人気があり、訪日外国人客を含めてご当地ラーメンを求める観光客が少なくないことから、観光産業や地域経済の活性化につなげようとブランド化に取り組み始めた。

カードを集めて賞品が当たる

 2025年度は県内15店舗に取材し、店舗の歴史などを紹介するサイトを作成した。26年度は8月末まで、一休軒本店など協力を得た7店舗で店主らの顔写真入りの「SAGAラーメンカード」を配布してもらい、3枚集めるなどの条件を満たして応募すれば抽選で賞品が当たるキャンペーンを行っている。


イベント参加店で対象メニューを注文するともらえる「SAGAラーメンカード」


 キャンペーンは7月11日から実施。全7店制覇の賞品として用意した「有田焼ラーメン鉢」(先着3人)は、開始から4日間でなくなった。大串さんは「キャンペーンが始まると、カードをもらうために開店前から並ぶお客さんがいた。普段は訪れない人が来るきっかけになっていると思う」と語った。


 キャンペーンの参加店は次の通り。
▶一休軒本店(佐賀市)▶ひろちゃんラーメン(同)▶マキザラーメン(同)▶竜里(唐津市)▶らぁ麺むらまさ(同)▶夢を語れ総本店(鳥栖市)▶丸幸ラーメンセンター(基山町)

あっさり味が黄身で変化

 県によると、チェーン店を除き、県内には約170のラーメン店がある。1955年に福岡県久留米市のラーメン店関係者が佐賀市に出店し、県内でも白濁した豚骨ラーメンが広がったとされる。

 「佐賀ラーメン」を提供する店の多くで、スープは久留米と同じ製法「呼び戻し」で作る。別の釜で炊いた新しいスープを継ぎ足していく製法だが、佐賀はあっさりした味わいが特徴という。

 中心に落とした生卵は、黄身を崩すと一杯の中で味の変化を楽しめる。県特産の有明ノリをトッピングする店もある。


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