【長崎】「落ちない奇岩」で地域おこし!時津町が全力PR

 長崎県時津町の国道沿いにある斜面に、「落ちそうで落ちない」と地元で有名な巨大な奇岩がある。同町はこの岩をPRするため、岩に向かう散策路の整備やAR(拡張現実)技術を活用した体験を提供する取り組みをしており、担当者は「町内外から多くの人に足を運んでもらい、町の活性化や町民の郷土愛醸成につなげたい」と意気込んでいる。


国道から見える「鯖くさらかし岩」(上)


岩の上に乗る「鯖くさらかし岩」


 長崎市から国道206号を北上し、同町に入って間もなく、左手の斜面を見上げると、高さ約12メートルの岩の上に、約7メートルのもう一つの岩が重なる奇岩がそびえ立っている。

 「鯖(さば)くさらかし岩」と呼ばれ、サバを売る魚商人が「きっと落ちるに違いないから落ちるまで待とう」と終日立ち尽くし、とうとうサバを腐らせてしまったという言い伝えに由来する。テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」でも取り上げられ、2001年には町文化財に指定された。


町を見下ろす山腹にそびえ立つ「鯖くさらかし岩」


散策路整備、ARおみくじも開始


 16年頃、町内の地域資源について意見を集めた際、「見たことがない人は驚くのでは」と、この岩を活用する案が多く寄せられたことから、本格的に取り組みが始まった。

 町は「落ちない」岩にあやかり“合格祈岩”としてPRし、岩をモチーフにしたキャラクターなどで町おこしを実施。オリジナルのサバ缶やクリアファイルなどの土産物を売り出すほか、アニメや歌も作った。

 さらに、25年から、岩がある文化の森公園内に、岩の近くまで登れる約300メートルの散策路の整備に着手。これまで国道から見上げるなど遠くから眺めるしかできなかったが、今年4月からは約10メートルの距離から巨大な奇岩を見られるようになった。


散策路の先にある岩の前で、ARを使った取り組みを説明する鬼塚さん


 夫婦で訪れた同町の男性は、「こんなに大きいとは思っておらず驚いた。町外から来る人も増えて、活性化につながるのでは」と期待を寄せた。


 6月にはARを使った取り組みも開始した。スマートフォンを岩周辺にあるQRコードにかざすと、キャラクターが合格を“祈岩”してくれたり、二つの岩が離れないことにあやかった「恋みくじ」ができたりする。


AR技術によって、岩にスマホをかざすと「合格祈岩」やおみくじなどが体験できる


 声優には人気アニメ「鬼滅の刃」のキャラクターの岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)の声で知られる杉田智和さんらを起用。地元の小学生などが発案した多様なキャラクターが登場し、山上広信町長も声で出演している。


 通勤路だった国道から毎日見上げていたという諫早市の男性はARのおみくじを体験。「心の中で祈ったら大吉が出た」と喜んでいた。

 同町戦略推進課の鬼塚洋平さんは、「町外の人には、岩を見に来るのに合わせて、町内の飲食店なども訪れてもらえたらうれしい。町内の人には、町に素晴らしい地域資源があることを誇りに思ってもらいたい」と話していた。

【動画】 落ちそうで落ちない「鯖くさらかし岩」…長崎県時津町


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