【大分】別府の湯を能登半島へお届け 心と体の癒やしに

 能登半島地震で被害を受けた石川県の被災者に入浴してもらおうと、日本一の湧出量と源泉数を誇る大分県の温泉地・別府市が、市内の温泉を浴場ごと被災地に届ける準備を進めている。被災自治体に支援を申し出ており、開設場所や時期を調整している。


被災地で活用される「幻想の湯」(2019年11月、大分県別府市で)

 浴場は「幻想の湯」と呼ばれ、送風機で膨らませて作るテント型の簡易施設(縦横10メートル、高さ6.4メートル)に浴槽を設置。男女別に繊維強化プラスチック製の浴槽(縦2.2メートル、横3メートル)を置き、脱衣場も備える。湯は市内の源泉でくみ上げ、専用タンクで保温しながらトラックで運ぶ。通常時は1日約300人が利用できるという。

 別府市は2016年の熊本地震で被災したことなどを機に、災害時の活用も想定していた。19年から県内外のイベントでPRなどに使ってきたが、被災地での活用は初めてという。

 別府の湯を使った後は、被災地に近い温泉地と協力し、何度か湯を運んで利用してもらう予定という。長野恭紘市長は「心と体の癒やしにつながることを期待している」としている。


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