【長崎】南蛮菓子を再現! 南島原市の新名物3種が誕生

 長崎県南島原市の4菓子店が、戦国時代にポルトガルから伝わった南蛮菓子を再現した新商品を開発し、5月15日、松本政博市長に披露した。

 新商品はビスケットの原型「びすこうと」2種と、チーズタルトの「けさちひな」の計3種類。「南蛮びすこうとオレーリャ」はポルトガルの伝統製法に基づいて耳たぶの形に整えた。「南蛮びすこうとボラシャ」は薄く丸形に焼き、ハーブのウイキョウを練り込んだ。「南蛮けさちひな」は薄いタルト生地が特徴で、クリームには島原半島産の牛乳やレモンを使った。


南蛮菓子を再現した南蛮びすこうと(手前左)と南蛮けさちひな(同右)

 文化庁の補助、県や市世界遺産市民協働会議などの支援を受けて2024年から開発を進め、京都でポルトガル菓子店を経営するパウロ・ドゥアルテさん、智子ドゥアルテさん夫妻の指導、監修を受けた。

 4店は、南有馬町のかすてら本舗長崎屋、有家町の石橋雲仙堂、宝屋菓子舗、深江町の吉田菓子店。それぞれ「南蛮びすこうとオレーリャ」(4個入り)と「南蛮びすこうとボラシャ」(5枚入り)を350円、「南蛮けさちひな」を1個300円(いずれも税別)で販売しており、2026年、原城跡近くに開館予定の「世界遺産センター」での販売も計画している。

 かすてら本舗長崎屋の中村康昭さん(60)は「小さなびすこうとを耳の形に整えるのに苦労した。何度も練習しました」と話した。試食した松本市長は「四百数十年前にこの地の人が出会った菓子の再現を心待ちにしていた。おいしく、色合いも良い。いいお土産になります」と喜んだ。


advertisement