【鹿児島】根付け!屋台文化 甲突川沿いの5店舗にぎわう

 鹿児島市加治屋町の甲突川沿いに屋台が出店する「かごしまリヤカー屋台プロジェクト」が始まった。企画した「かごしまリヤカー屋台組合」のメンバーは「市街地に屋台がある新たな風景を作り、街のにぎわい創出につなげたい」と意気込んでいる。


多くの客でにぎわう屋台

プロジェクトが始動

 6月3日夜、心地よい夜風が吹く甲突川沿いに5店舗の屋台が並んだ。各屋台ではギョーザや黒毛和牛のホルモン、キビナゴの一夜干しなどを提供。左党たちがお酒を片手に料理や会話を楽しむ姿が見られた。

 同僚と訪れた鹿児島市の会社員(25)は「屋外で酒を飲むのは気持ちいい。飲食の選択肢が広がり、地域も盛り上がると思う」と話した。


和やかな店内。店員や客同士で会話も生まれた

 2024年秋、鹿児島市の魅力発信や、食文化を体験できる場所を提供しようと、県内の飲食店関係者らで屋台組合を発足。メンバーが屋台文化が根付く福岡市・天神の屋台を視察し、屋台店主から設備や風の影響などについて話を聞いて、リヤカーを土台に木材を使って屋台を自作した。

 甲突川に並ぶ五つの屋台はそれぞれカウンター12席のみ。手探りでのスタートとなったが、観光客らも含め県内外から多くの人々が足を運び、入店待ちが出る盛況ぶり。同組合で広報などを担当する上園優貴さん(39)は「店員や客同士で会話が生まれ、いい雰囲気だった」と話す。


甲突川沿いに屋台が並んだ

にぎわい創出に期待

 鹿児島市は、JR鹿児島中央駅から甲突川や天文館、本港区などのエリアで「歩いて楽しめるまちづくり」を進める。屋台が出店するのは「歴史ロード“維新ふるさとの道”」高見橋入り口付近の市有地。同市観光振興課は「魅力的なイベントで回遊性の向上につながる。市としてできる限りの支援をしたい」と営業を許可した。

 出店は6月15日までで、荒天で出店を中止する場合もある。第2弾として、同27日から7月6日にも再び営業し、将来的に常設を目指す。

 同組合の川尻強人会長(41)は「自然や屋台の空気を感じながら、鹿児島の食や焼酎を楽しんでもらいたい。鹿児島に屋台を根付かせ、文化として定着していけばうれしい」と話している。


鹿児島の食や焼酎を楽しんでもらいたい


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