【熊本】にぎわい新拠点に!荒尾競馬場跡に「道の駅」開業
熊本県荒尾市の荒尾競馬場跡地で進められてきた再開発で、中核施設の道の駅「ウェルネスあらお」が6月5日、開業する。市は一帯に子育て支援施設や商業施設、ホテルなどを集積させ、暮らしと観光の新たな中心地とする計画だ。人口減少が進む中、市経済の新たな牽引(けんいん)役として注目される。
「スマートタウン」再開発
「遠方の人だけでなく、地元の人にも荒尾の自然や農産物の魅力を知ってもらいたい」。市内では初めてとなる道の駅の本格開業を前にした2日、武藤由加駅長は力を込めた。
道の駅では地元の農水産物や伝統工芸品を取りそろえており、観光の目玉となる屋外デッキからは有明海の夕日を望むことができる。近くには子育て支援施設や公園を備え、跡地は観光客も地元住民も楽しめる場所として生まれ変わった。
荒尾競馬場は1928年に開業し、日本最南端の地方競馬場として栄えたが、2012年3月に閉場した。市は東京ドーム7.4個分の約34.5ヘクタールに及ぶ広大な跡地周辺の活用に向け、独立行政法人都市再生機構(UR)と協定を結び、「あらお海陽スマートタウン」として再開発を進めてきた。
24年に入居を始めた賃貸集合住宅は満室になったといい、ディスカウント店の「トライアル」に加え、病院や洋服店なども進出する。AI(人工知能)を活用した乗り合いタクシーも導入した。
JR荒尾駅に近く、有明海沿岸道路のインターチェンジの設置も予定されている跡地。市はスマートタウンが完全開業すれば年482億円の経済効果があると試算する。再開発を担当したUR九州支社の田中耕介担当課長は「コンパクトシティーとして、暮らしと観光の双方を充実させた」と話す。
定住や関係人口増加に期待
新たな仕組みも導入した。一帯で行われるイベントや公共空間の維持などにかかる費用を、立地する事業者に負担してもらう「BID」と呼ばれる制度だ。
自治体の負担を軽減し、事業者側の「まちへの関与」を高める狙いがある。米国などでは普及しているが、国内では大阪市、沖縄県北谷(ちゃたん)町に続く3例目という。
まちの活性化は事業者側の売り上げ増加にもつながることから、「ウィンーウィンの関係を築ける」(荒尾市担当者)と見込む。すでに進出した企業は合意しており、市は義務化に向け、26年度内の条例制定を目指している。
炭鉱の街として栄えた荒尾市は1990年代後半に炭鉱が閉山して以降、人口減少が続く。一方、TSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出で、市内にも半導体関連企業が進出するなど好材料もある。
再開発で定住や関係人口の増加につなげられるかが地域活性化のカギとなる。浅田敏彦市長は「今後もレベルアップさせながら、多くの人に来ていただける場所にしていく」と意気込みを語った。




