SNSなどでウクライナについて発信している同国出身の九州大4年、マリヤ・コロペンコさん(23)が7月19日から同国の高校生を日本に招く短期留学プログラムの準備を進めている。来年以降の実施も目指してクラウドファンディングで寄付を募っており、「両国の10年後、20年後の未来を担う世代への投資として、経験を届けたい」と話している。
集中講義や日本の学生との交流も
招待するのは、ウクライナ西部・リビウの武道館高校で日本の言語や文化を学ぶ高校生ら11人。日程は19日~8月9日の約3週間で、東京の日本語学校で集中講義を受け、日本の高校生や大学生らとも交流を深める。週末には伝統的な街並みが残るリビウの復興のヒントを得られればと京都を訪ねる予定だ。
コロペンコさんはウクライナ南部のクリミア半島出身で、2014年2月のロシアの軍事介入を受け、11歳で両親のいる日本へ緊急避難した。日本語を一から学び、小中高を経て、九大へ進学。母国が抱える「戦争が起きている国」とのイメージを拭い去ろうと、昨年10月からは、動画などで母国について発信を続けている。
プログラムの構想は昨夏、来日後に初めて帰国した際に感じた問題意識から生まれた。社会問題の解決を諦めている大人たちが多いように感じ、このままでは若い世代が自国の課題や強みに気づけず、自分や国の未来を信じられないのではないかと危惧したという。
2027年の継続へ 寄付募る
一方、コロペンコさんは日本での教育を通して、母国を客観的に見る視点や「社会はよりよくできる」との感覚を得た。「今度は母国の若い世代を応援したい」と、これまでの活動で知り合った人たちに協力を求めてきた。今年のプロジェクトは約720万円の費用を見込むが、賛同した企業や個人などの協力で実施予定だ。
シェアサイクル事業を手がける福岡市の企業「チャリチャリ」は、スポーツ交流イベントへの招待など滞在中のプログラム提供で協力する。社長の家本賢太郎さん(44)は「今いる環境が全てではなく、人生の選択肢は無限にあることを知り、自身の未来を切り開いてほしい」と語る。
コロペンコさんは「戦時下で暮らす高校生との対話は日本の若い世代にとっても気づきがあるはず。両国の未来を担う若者の育成に協力してほしい」と呼びかけている。
寄付は9月3日まで専用サイトで受け付けている。







