【佐賀】「神埼『総』めん」を売り込め!組合が新ブランド
400年近い歴史がある佐賀県神埼市の特産「神埼そうめん」を守ろうと、地元の事業者でつくる神埼そうめん協同組合が、県や市などと共に新たなブランド「神埼『総』めん」を発足させた。明治期に全国で初めて機械を導入した事業者は、磨いてきた技術力を武器にラーメンやうどんなどそうめん以外の麺も生産しており、取り組みを通じて全ての麺の販路拡大につなげる狙いだ。
地域で育んだ産業を守る
「昔から機械式製麺に取り組んできたからこそ、味も進化できるし、時代に合った麺をつくることができる」。神埼そうめん協同組合長を務め、井上製麺(神埼市)5代目で社長の井上義博さん(68)はそう語る。
市によると、神埼そうめんは江戸時代の1635年(寛永12年)、現在の香川県・小豆島からやってきた僧侶が伝えたのが始まり。明治時代には「佐賀の発明王」と呼ばれた真崎照郷が製麺機を開発し、全国で初めて機械式製麺の生産を始めた。
手延べ式のそうめんでは乾燥を防ぐために油を使用するが、機械式は小麦と塩、水だけを材料に作れるため後味が軽やかなのが特徴という。機械の導入で生産量は飛躍的に増え、最盛期には市内に300軒ほどの製麺所があった。
一方で、機械式はブランド化が難しかった。大量生産のイメージを持たれ、井上さんは「百貨店のギフトも手延べが重宝され、同じ土俵にも上がれなかった」という。また、そうめんは夏以外は売り上げが落ち込むほか、食の多様化や物価高もあって市内の製麺所は10軒以下にまで減った。
「総」合力であらゆる麺を
こうした状況を打破しようと、協同組合と県、市などが3月、「神埼『総』めん」のプロジェクトを始めた。各製麺業者は経営のため、主軸のそうめんのほかにうどんやそばを製造しており、全ての麺を含めてブランドを確立することが狙い。特設ホームページを作成したほか、販売会や麺づくりの体験イベントの開催などでPRしており、市の担当者は「その日の気分などで麺を選べるブランドに育てたい」と話す。
井上さんは「神埼の製麺所には、自分たちの作りたい麺になるよう機械を調整しながら使ってきた技術がある。多角化の取り組みを通じて経営を安定させ、神埼そうめんの産地を守っていきたい」と力を込める。
6月23日から7月5日まで、佐賀市城内の「JONAI NORTH」では「神埼『総』めん」の商品を販売する特設ブースが設けられる。7月3日午後6時からは同所にキッチンカーを置き、神埼そうめんを使った担々麺やカレーなどのアレンジ料理を販売する。問い合わせは、県産業振興機構・さが産業ミライ創造ベース(0952-25-8822)へ。




