【佐賀】サウナ愛から生まれた新型キャップ 主婦が考案

 サウナでの時間を快適に過ごしてもらおうと、佐賀県鳥栖市の主婦、村田純可(すみか)さん(50)がオリジナルのサウナキャップを開発し、人気を集めている。頭だけでなく、顔を簡単に覆うことができるデザインが特徴で、特許を出願中だ。サウナ好きが高じて商品化までたどり着き、「佐賀発の新型キャップでサウナブームを盛り上げたい」と意欲を見せる。

街でもクール

 開発した商品は「NANOS CAP(ナノスキャップ)」。吸水性の高いタオル地でできており、キャップ部分とつながっているマスク部分をずらして、顔を覆うことができる。外気浴の際にはアイマスクとしても使える。街中でも使用できるように、ニット帽のような見た目に仕上げた。


「NANOS CAP」を紹介する村田さん

 村田さんは福岡県久留米市出身。中学生の頃に友達に誘われてサウナに出会い、「ととのう」感覚を覚えた。本格的に通い始めたのは4年ほど前。家庭や仕事上の悩みが解消されて気持ちが明るくなり、今は行ったことのない各地のサウナ巡りを楽しんでいる。

不快感を解消

 サウナに通ううちに、最も熱さを感じやすいのは顔だと気づいた。「熱さに不快感を覚え、苦手意識を持つ人もいるのでは」と思い、手軽に顔を覆えるキャップ作りを考え始めた。従来の製品はキャップ部分とマスク部分をボタンや接着テープでつなぐタイプが主流だが、これを一体化させるデザインを考案した。

 製作してくれる企業を探すため、2023年1月頃に鳥栖市や久留米市などの帽子メーカーに連絡し、久留米市の業者から了解を得た。サンプル作りから始め、サウナでの試着も重ねた。インターネットでの販売に向けて、子育てや家事の合間にSNSによる集客やネット広告の活用法も学んだ。

 24年1月に発売したところ、通販サイトでは2日に一つのペースで売れており、手応えを感じている。村田さんは「実績のない個人でも、何かをやってみたいという思いがあれば一歩踏み出すことが大事だとわかった。サウナを始めたいけど、熱さに苦手意識がある人に使ってほしい」と話す。

 通販では送料と税込みで7200円。吉野ヶ里町の温浴施設「山茶花の湯」でも税込み6600円で販売している。


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