【熊本】球磨焼酎に新ブランド 豪雨の被災地を支援へ

 九州豪雨で被災した熊本県の人吉・球磨地域特産の球磨焼酎に、新ブランド「KUMA SPIRITS AND BOTTLERS」が誕生した。複数の蔵元の焼酎をブレンドし、低アルコールの商品を中心に展開する。第1弾となる4種類の銘柄を6月20日から販売し、国内外での新たな販路の開拓と付加価値の向上を目指す。

第1弾は4種類 6月20日発売


第1弾として完成した新商品

 被災地の地域経済を支援しようと、球磨焼酎の卸問屋を営む鳥越英夫さん(56)らが企画。蔵元らに呼びかけてプロジェクトチームをつくり、約2年かけて完成させた。

 第1弾は、27ある蔵元のうち、深野酒造(熊本県人吉市)、林酒造場(同県湯前町)の焼酎を使用した。ブレンドは酒のプロデュース業を数多く手掛ける東京のレモンサワー専門店「OPEN BOOK」オーナーの田中開さん(33)が担当した。

 4種類のうち、「MAEWARI」(720ミリ・リットル、税込み2750円)が3種類。芳醇(ほうじゅん)な香りを楽しめる「アロマティック」、ふくよかな香りに米のうまみが残る「ハーモニー」、玄人向けの濃い味わいにまとめた「クロウト」を用意した。

複数酒ブレンド 蔵元が協力

 それぞれ4、5種の焼酎をブレンドし、蔵元の仕込み水を掛け合わせた。アルコール度数は13%。酒を水や炭酸で割る文化がない海外でも親しめるように、冷やしてワイングラスでも楽しめる。

 もう1種類の「直燗(じきかん)」(500ミリ・リットル、同3960円)は、度数38%。じか火で温める地元の飲み方に倣い、お湯割りなどで強いコクが味わえるという。


球磨焼酎の新ブランドで乾杯する参加者

 人吉市の観光複合施設「HASSENBA」で6月4日に試飲会があり、関係者約40人にお披露目された。今後、他の蔵元との新商品開発や球磨焼酎の魅力を発信する新施設の整備も検討していくという。

 鳥越さんは「新しいマーケットでも営業していける武器ができた。自分の好みを選んで楽しんでほしい」と話している。


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