【佐賀】「辰野金吾と新紙幣」知る企画展 旧唐津銀行

 新1万円札裏面に描かれた東京駅丸の内駅舎を設計した建築家辰野金吾の出身地・佐賀県唐津市で、企画展「辰野金吾と新紙幣」が開かれている。会場の県重要文化財「旧唐津銀行」(唐津市本町)は辰野が監修した建物。日本銀行から同市に寄贈された記番号「AA000007AA」の新1万円札や、紙幣発行に関わる資料が展示されている。


紙幣の歴史を学べる資料が並ぶ会場

 記番号「7番」の新紙幣は1階のガラスケース内にあり、日銀から7月3日に寄贈されたホルダーに収められている。そばには新1万円札をかたどった特製パネルも設置され、記念撮影ができる。


展示されている記番号「7番」の新1万円札の一部


 2階では、独立行政法人「国立印刷局」が制作した紙幣の製造工程などを紹介するビデオ(25分)を常時放映。紙幣や貨幣の歴史、文化をひもとく資料のパネルが並び、日本の優れた偽造防止策や、「日本のお札に最も多く登場した人物は?」といった知識を学べる。主催する唐津観光協会は「多くの観光客が(寄贈された)新1万円札を珍しそうに見てくれている」と話す。

 企画展は9月1日までで、入場無料。問い合わせは旧唐津銀行(0955-70-1717)へ。

17日に生誕祭を開催

 8月17日には、辰野の生誕祭が催される。「辰野金吾を顕彰する市民の会」(田中勝代表)が主催。同市坊主町にある生誕地の碑で午前9時から神事を執り行った後、同10時から旧唐津銀行で約1時間半、意見交換会などを開催する。西崎淳一・日銀佐賀事務所長が「日本銀行と辰野金吾と新しいお札について」と題して記念講演する。

 生誕祭は一般参加自由で無料。田中代表は「辰野を巡る明治の背景を深く知ると、市に寄贈された『7番』の新1万円札の価値の高さがいっそう理解できると思う」と生誕祭への参加を呼びかけている。問い合わせは田中代表(090-3608-1209)へ。


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