【熊本】「山鹿温泉で健康」を実証へ 市と京産大が研究

 熊本県山鹿市と京都産業大(京都市)は、温泉入浴が心身の健康状態に与える影響を調査する実証研究を実施した。市は誰もが健康で幸せに暮らせる「健幸都市」を掲げており、温泉の効能を科学的に立証することで、今後の健康施策や保養地としてのPRに活用する。

160人の筋肉量など測定 


さくら湯で温泉が健康に与える影響を調査する京都産業大の関係者

 「足の血行が良くなるので来ている。温泉につかると体の調子がいいんです」

 2月17日、同市の市民温泉「さくら湯」で研究に協力した福岡県大牟田市の男性(77)は笑顔で語った。週1回、車で40分ほどかけて夫婦で通っており、この日は握力や歩行速度などを計測した。

 創設者の出身地という縁で市と同大は包括連携協定を提携しており、今回の実験を共同で行うことになった。対象は40歳以上で、2月16~21日に日常的な温泉入浴習慣がある人とない人の計約160人から、運動機能や体組成計を用いた筋肉量などを測定。代謝や腸内細菌の状態も調べるため、検尿や検便も実施した。

「現代版の湯治場」目指す

 得られたデータを同大が分析し、腸内細菌や心の状態などが温泉入浴でどう変化するかを比較し、結果を市と共有する。同大生命科学部の加藤啓子教授は「温泉の効能は見た目では分かりにくい。研究結果が客観的評価として市民の健康維持の役に立てれば」と話した。

 市は2024年に「健幸都市宣言」を行い、イベントやシンポジウムの開催などで取り組みを進めている。市健康増進課は「福祉と観光を合わせた『現代版の湯治場』として山鹿をアピールしていきたい」としている。


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