【大分】温泉の研究拠点を別府に整備へ 大平山の麓に

 大分県別府市は、温泉の効能の研究や、研究結果の実践拠点となる施設を、同市の大平山(通称・扇山)の麓に整備すると発表した。新たな掘削はせず、外部の温泉などを利用した施設や研究所などを計画しており、長野恭紘市長は10月10日の記者会見で「観光の形を劇的に変えると確信している」と述べた。


大平山に造る研究・実践拠点のイメージ図(別府市提供)

 計画地は、別府インターチェンジに近い市有地4ヘクタール。市民向けと高級志向の温泉エリアをそれぞれ設けるほか、別府市での温泉研究の情報などを集約・発信する施設を設ける。既にある敷地外の泉源から湯を供給する。オープン時期は未定。

 市は、温泉の効果を可視化して付加価値を高めることで観光客誘致を目指す「新湯治・ウェルネスツーリズム事業」に取り組んでいる。10日には、山の地形をいかし、石や樹木で自然と一体化したイメージ図が示された。実際の施設も自然との調和を目指す。

 市は、基本計画策定に向けた費用を盛り込んだ一般会計補正予算案を次の市議会定例会に提案する。長野市長は「100年後の市民に『この施設があるから今の生活がある』と言ってもらえるような歴史的な仕事だという使命感を持って挑戦したい」と意気込んだ。


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