【宮崎】無人島にリゾート施設 日南に2026年春以降開業
宿泊業や不動産業などを手がける「レジャークリエイトホールディングス」(宮崎市)が、宮崎県日南市南郷町沖の無人島「大島」で、宿泊機能を伴うリゾート施設の建設を計画している。2026年4月以降の開業を予定しているという。市は市議会定例会に同社への補助金として4億円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を提案し、可決された。
豊かな自然がある「大島」で計画
市によると、大島は目井津港の沖合約2.5キロに浮かび、面積は約2平方キロ・メートル。かつては漁業が盛んで、昭和30年(1955年)頃には約350人が生活した。
2020年の国勢調査で人が住んでいないことが確認されたが、島内は亜熱帯植物が自生する豊かな自然があり、観光に訪れる人も少なくなく、釣りを楽しむ人もいる。島内にはキャビンとコテージの市営宿泊施設があり、本土の目井津港と島を結ぶ市営旅客船も運航されている。
レジャークリエイトホールディングスによると、同社は「天然温泉ひなたの宿日南宮崎」(日南市)の運営などを手がけており、大島は宿泊需要があると判断した。
整備するのは市営旅客船が発着する小浜港近くの島の北側エリアで、戸建てタイプのヴィラ7棟とグランピング施設(大型ドーム型テント)4張り、宿泊者用レストランなどを設ける予定。開業後はクルーザーを使い、島に客らを送迎することも想定する。島内にヘリコプターの離発着場を既に整備しているという。
市も補助金「市全体の盛り上げに」
市は島を訪れる観光客の増加や、市内の他の観光拠点との連携による観光消費額向上を図ろうと、事業費約8億2200万円のうちほぼ半分の約4億円を補助する。国の補助金や市債を充てる。
同社の河野信吉会長は日南市出身で、「無人島になってしまった島を開発することで、市の活性化につなげたい」とコメント。市未来創生課の古沢慎一郎課長は「島のポテンシャルは高い。民間投資が市全体の盛り上がりにつながると期待している」と話す。