【大分】ハーモニーランドをリゾートに刷新 10年構想で
サンリオは12月8日、子会社が大分県日出町で運営する屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」について、ホテルなどを備えたリゾート地に刷新すると発表した。
「天空のパーク」をイメージ
高低差がある立地を生かした「天空のパーク」をイメージしており、約10年かけて実現させる構想だ。完成すれば、年間来園者数を現在の約4倍の200万人に伸ばせるとみている。
運営会社サンリオエンターテイメント(東京)の小巻亜矢社長らが8日に大分県庁で記者会見し、基本構想を明らかにした。
大屋根、ロープウェー整備 ホテルも検討
構想では、複数の企業などで共同事業体を組織し、アトラクションを刷新するほか、雨天でも楽しめる「大屋根」やロープウェーなどを整備する。別府湾を一望できるホテルの建設も検討する。初期投資額として約100億円を見込む。
半年後をめどに、実現に向けた基本計画をまとめる予定で、小巻社長は「大分の良さとサンリオグループのエンターテインメントを融合した場所にしたい」と意欲を見せた。
ハーモニーランドは1991年、県や町、サンリオなどが出資する第3セクターが開業した。駐車場を含めて23.5ヘクタールの敷地があり、2009年からサンリオエンターテイメントが運営している。24年度の来園者数は約50万人だった。
運営会社「世界で一番やさしい場所に」
8日、県庁で立地表明式に臨んだ運営会社「サンリオエンターテイメント」(東京)の小巻亜矢社長は、雨や暑さを気にせず過ごせる大屋根の整備や、電動モビリティーなどの移動しやすさを高める仕組みを検討しているとし、「世界で一番やさしい場所と言われるようにしたい」と抱負を語った。
小巻社長はこの日、佐藤樹一郎知事と日出町の安部徹也町長に立地表明書を手渡し、「観光誘致や定住促進でさらに連携を深め、住みたくなる町に向けて一緒に頑張りたい」と述べた。
式後の記者会見で小巻社長は、雇用について「大幅な採用を見込んでいる」とし、シニア世代や障害者が働きやすいオフィスを整備する考えも示した。
佐藤知事は県内のインバウンド(訪日客)の滞在時間が短いことに触れ、「ホテルも備えれば、長く滞在してもらえる。九州観光にも大きなインパクトがある」と期待した。
同社はこの日、企業版ふるさと納税制度を活用し、2027年度までに県に計6000万円を寄付することも表明した。




