【海と日本プロジェクト】沖ノ島の世界遺産登録5周年 記念事業や「むなかたSDGs教室」でゆたかな海を次代に
福岡県宗像市は9日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産登録5周年を記念する関連事業を発表しました。海岸清掃や地引網といった体験学習を行う「むなかたSDGs教室」、沖ノ島周辺のクルーズツアー、世界遺産検定など、関係各団体が展開する活動を通じ、ゆたかな海を次世代に引き継ぐ機運を高めます。
むなかたSDGs教室
島全体が信仰の対象である沖ノ島は入島が厳しく制限され、古代祭祀(さいし)の遺跡がほぼ手つかずの状態で守られてきました。2017年7月の世界遺産登録後、宗像市などはイベントを毎年開催し、5周年の今夏も「世界遺産と美しい海を未来へ」というテーマのもと、様々な事業に取り組みます。
「むなかたSDGs教室」は、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、宗像市と福岡県立少年自然の家「玄海の家」、読売新聞西部本社でつくる「海を守ろうむなかた実行委員会」が、小学4~6年生を対象とした体験イベントを実施します。
むなかたSDGs教室のロゴマーク
「宗像大社の鳥居」「玄界灘の海」「朝日」を図案化し、表現しています。中津宮からの朝日の輝きが海面を照らし、明るく楽しいイベントになるようにとの思いを込めています。
むなかたSDGs教室の「DAY1」(8月27日)は地引き網やカヌーの体験、沖ノ島について学ぶセミナー、「DAY2」(9月17日)では、海岸の清掃活動と「ごみアート」の制作、漁業者による講座、新聞作りを予定しています。いずれも定員60人で参加無料です。6月29日から募集を開始します。
このほか、「宗像国際環境会議」(10月26~28日)や「むなかた子ども大学」(11月13日)とのコラボ事業、小学校での出前授業も計画しています。
沖ノ島クルーズや世界遺産検定も
宗像市や福津市、福岡県、宗像大社でつくる「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会」も、子どもたちに世界遺産を体感してもらう事業を推進。「海の日」の7月18日には、JR九州の高速船「クイーンビートル」で沖ノ島の周辺を巡るクルーズツアーに、宗像市と福津市の子どもたち約50人を招待します。
世界遺産のファンを地元で広げ、来訪者の「おもてなし」やガイド活動などへの興味をもってもらおうと、この秋から「世界遺産市民検定」も始める予定です。
宗像市の「海の道むなかた館」で開かれた9日の記者会見で、伊豆美沙子市長は「世界遺産の根底にあるものが海への感謝であるということを、子どもたちに伝えたい」と話しました。