【長崎】チャレンジふくしまフォーラム 福島の「今」発信
東日本大震災からの復興が進む福島県の現状や魅力を伝える「チャレンジふくしまフォーラムin長崎」が12月1日、長崎市で開かれ、約110人が参加した。
挑戦!影を光に
基調講演で福島の「光と影」をキーワードに掲げた内堀雅雄知事は、県産のコメやモモ、ナシの輸出が震災前より拡大したことを紹介し、復興が着実に進んでいると説明。一方、影の側面として、8月から始まった東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を巡って水産物輸出が打撃を受けたことを挙げ、「日本全体の問題。影を光に変えるため挑戦を続ける。応援をお願いしたい」と語った。
長崎と福島の絆
「長崎と福島の絆」をテーマにしたパネルディスカッションでは、震災で全村避難となった同県川内村の遠藤雄幸村長や、前長崎市長の田上富久氏らが参加。田上氏は、長崎原爆の犠牲者を追悼する8月9日の平和祈念式典で市長が読み上げる「平和宣言」で、毎年福島に触れてきた理由について「放射線という見えない恐怖に直面した経験がある長崎がメッセージを出し続けるべきと考えていた」と話した。
ほかに登壇したのは、長崎大原爆後障害医療研究所(原研)の高村昇教授と折田真紀子准教授。2人は、東京電力福島第一原子力発電所事故の直後から、同村などの被災地で放射性物質の測定や住民の健康相談などの支援を続けてきた。
高村教授は、福島と長崎を何度も行き来したことに触れ、「食べ物のおいしさや人の温かさなど、福島の良いところをたくさん知った。ぜひ皆さんにも足を運んでもらいたい」と呼びかけた。遠藤村長は、「いただいた支援にしっかりと応えて復興していくことが恩返しになると思う。これからも長崎との縁を未来につないでいきたい」と語った。
福島の味に舌鼓
ディスカッション後の交流会では、福島牛のステーキなどが振る舞われたほか、日本酒の試飲なども行われ、参加者らは福島の味に舌鼓を打った。
フォーラムに参加した長崎大医学部1年の松尾秋良さん(19)は「長崎ではあまり知ることができない、福島の現状を知ることができた。福島の食材を買うなど、これからも応援をしていきたい」と話していた。