【鹿児島】アマミノクロウサギ交通事故死が7年連続最多

 奄美大島と徳之島に生息する国の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」の2023年のロードキル(交通事故死)件数が175件となり、7年連続で過去最多を更新したことが、環境省の調べでわかった。個体数の増加により、事故に遭う事例が増えているとみられる。


アマミノクロウサギ(2022年3月撮影)

 鹿児島県奄美市で2月9日に開かれた「奄美希少野生生物保護増殖検討会」で、同省奄美群島国立公園管理事務所が公表した。

 公表結果によると、23年のロードキル件数は奄美大島で147件(前年比40件増)に上り、徳之島で28件(同13件減)だった。合計で前年を18.2%上回った。

 事故は国道や県道など交通量が多い地点で多く発生しており、同省などは、ドライバーに減速運転を呼びかける標識の設置や道路侵入を防ぐ防護ネットなどの対策を進める。

 同事務所の阿部慎太郎所長は「ドライバーの意識向上で動物事故を減らすことは可能だ。ソフト、ハード両面で対策を講じ、事故減少につなげたい」と話した。

 一方、国の天然記念物「ケナガネズミ」のロードキル件数は65件(前年比29件増)で、2年連続で過去最多を更新した。


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