【長崎】「君が心をくれたから」 “聖地巡礼”にぎわう

 フジテレビ系で放送中のドラマ「君が心をくれたから」で、ロケ地になった長崎の観光名所などに多くのファンが訪れている。これまで数々の人気ドラマを生んだ「月9」(月曜午後9時)の枠とあって、注目度は抜群。観光関係者らもロケ地マップを作るなどして盛り上げている。

「月9」ドラマ 抜群の注目度


ドラマの出演者が座った椅子を前に、「たくさんの人が来てくれてうれしい」と話す黒田さん

 長崎市のオランダ坂入り口近くにある、外国人居留地の代表的な建物「東山手甲十三番館」(長崎市東山手町)は、ドラマの放送が始まった1月上旬から来館者が急増した。1日で1000人を超えたこともあり、管理している黒田雄彦さんは「これほど多いのは初めて。案内に時間を取られて通常の仕事ができないこともある」と笑う。

 同館は、主演の永野芽郁(めい)さん演じるヒロインの実家として登場する。1階の喫茶スペースは出演者の休憩所として使われ、祖母役の余貴美子さんや斎藤工さんが座っていた椅子で記念撮影する人も多い。

 館内に置かれたノートには、「8年前は修学旅行で訪れ、今回はロケ地巡りのために来ました」といったメッセージが書かれている。黒田さんは「ドラマをきっかけに、長崎の歴史にも興味を持ってもらえたらうれしい」と話す。

ロケ地マップも公開

 KTNテレビ長崎によると、異国情緒あふれる長崎の土地柄がドラマのイメージに合致しているとして、2023年11月頃から約1か月間、長崎市を中心にロケが行われた。劇中には長崎水辺の森公園や県美術館、新地中華街、出島など、市民にはおなじみの場所が次々と登場する。エキストラとして数百人が撮影に協力した。

 放送直後から、SNSには「長崎に行ってみたい」などの投稿が相次いだ。県観光連盟は誘客を促そうと、ウェブサイト「ながさき旅ネット」でロケ地マップを公開。劇中の写真も使用し、どのようなシーンで使われたのかといった説明も添えた。

 週末はマップを手に、撮影現場を巡る「聖地巡礼」を楽しむ人たちの姿が見られる。同市の「ラッキータクシー」によると、観光客から「ロケ地に連れて行ってほしい」と求められることもあるという。

 同連盟国内誘致部の佐藤壮さんは、「ドラマを通じて長崎の魅力をアピールできる貴重な機会。空港や駅などにもロケ地マップを掲示し、長崎に来る観光客にドラマと同じシチュエーションを楽しんでもらいたい」と意気込んでいる。


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