【熊本】「でんきの駅」完成 九州新幹線沿線の遊休地に

JR九州などが九州新幹線沿線に完成させた蓄電設備「でんきの駅」


 JR九州と住友商事グループは3月21日、再生可能エネルギーを有効活用するため、電気自動車(EV)の中古バッテリーを活用した蓄電設備「でんきの駅」を熊本市南区に初めて完成させた。JRグループが蓄電事業を手がけるのは初めてで、鉄道沿線の遊休地で整備を進める方針だ。


JR九州と住友商事が蓄電設備

 でんきの駅は、JR川尻駅近くの九州新幹線高架そばで、JR九州の社有地に2棟(計約500平方メートル)を設置した。EV約350台の中古バッテリーを再利用し、容量は6メガ・ワット時で一般家庭600世帯の1日の電力を蓄えられる。


九州新幹線の高架そばに整備された


 蓄電池は送電網に接続され、太陽光発電など再生エネの発電量が多い時間帯に蓄電し、電力市場で売却する。試運転後、9月の本格稼働を目指す。


 日照条件に恵まれる九州は、太陽光発電で需要を上回る発電があり、蓄電池が余剰電力の受け皿として期待されている。今後は九州各地に広げ、EV充填(じゅうてん)設備や災害時の非常電源としての活用も検討する。JR九州の赤木由美取締役は「鉄道沿線の遊休地は多く、新たな活用策として期待している。脱炭素をビジネスにつなげたい」と話した。


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