【大分】夜桜の下を菊姫があでやかに 佐伯で伝承を再現

 佐伯藩家老の娘、菊姫のお礼参りを再現した催しが、大分県佐伯市中心部で開催された。姫やお供の人たちに扮(ふん)した着物姿の男女約20人が満開の夜桜の下、あでやかに練り歩いた。


夜桜を背に練り歩く菊姫役の柿本さん(中央)ら

 言い伝えなどによると、約200年前、菊姫が顔に吹き出物ができ、部屋に閉じこもっていた際、21日間にわたって大日寺の弁財天に願掛けをすると、吹き出物が消えたという。

 催しは地元住民有志らでつくる実行委員会の主催。菊姫役らが3月30日夜、大日寺で弁財天法要を行い、佐伯城三の丸櫓門(やぐら)まで歩くと、沿道から声援が上がっていた。

 公募で選ばれ、第13代菊姫を務めたカフェ店員の柿本心緒さん(20)は「菊姫行列がたくさんの人に好かれていることがわかり、心が温かくなった」と笑顔。実行委員長の吉岡良得さん(40)は、1月に発生した能登半島地震に触れ、「犠牲者の冥福(めいふく)と一日も早い復旧を弁財天法要で祈った」と話していた。


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