【熊本】球磨川名物アユ料理 「さかもと鮎やな」営業開始へ
九州豪雨で被災した熊本県八代市坂本町で、球磨川名物の鮎(あゆ)料理を提供する「食処(しょくどころ)さかもと鮎やな」が6月15日、今シーズンの営業を始める。7月4日で4年となる豪雨を乗り越え、昨季の利益を地域に還元できるほどになった。従業員らは「坂本の復旧、復興をさらに後押ししたい」と意気込む。
店は球磨川再生シルバー事業の一環として一般社団法人「さかもと」が2017年、人口減少が続く地域の活性化につなげようと開店。球磨川沿いの店舗には最初の3年間は年間約7300~8700人の来客でにぎわった。20年は新型コロナウイルス禍に豪雨が追い打ちを掛け、営業を断念。仮設店舗を経て、復興のシンボルとして21年に復活した。
再開1年目は2000人弱だったが、22年は約3500人に回復。23年は客席数を増やし、球磨川でのラフティングなどの相乗効果や団体ツアー客もあって約4600人が訪れた。24年は客席を屋外も含めた52席に増加し、約5000人を目標にしている。
法人によると、昨季は予想を上回る来客数で、約120万円の純利益が出た。運営資金を除く24万円を義援金に回すことを決め、市内にある八つの地域振興会に6月3日、活動支援金として3万円ずつを贈った。
7日には今季の営業を前に関係者を招いた試食会を開催。清流を眺めつつ塩焼きや唐揚げ、甘露煮、一夜干しといった鮎料理を豊かな自然の風景とともに堪能した。松嶋一実代表理事(76)は「一日も早く復旧、復興して、安心して生活できる環境と住民の笑顔を取り戻したい。一人でも多く来ていただき、坂本のいい所を見てもらいたい」と話した。
今季の2024年は6月15日~11月4日の土日祝日とお盆の8月13~15日に営業する(午前11時~午後3時)。塩焼きなど10品が並んだ「鮎づくし」(税込み3800円)などが人気で、単品もある。問い合わせは同店(0965-45-2677)へ。