【佐賀】特別展「邪馬台国と伊都国」 吉野ヶ里で開催中

 中国の歴史書「魏志倭人伝」に登場するクニの一つ、伊都国(現在の福岡県糸島市周辺)に焦点を当てた特別展「邪馬台国と伊都国」が、吉野ヶ里歴史公園(佐賀県神埼市、吉野ヶ里町)の歴史公園センターで開かれている。11月10日まで。

弥生人の交流、想像して

 伊都国は倭人伝で、弥生時代における大陸文化の玄関口として記される。会場には、伊都国歴代の王墓遺跡と考えられている平原遺跡や三雲南小路遺跡などから見つかった遺物や資料約280点が並ぶ。


平原遺跡から見つかった超大型鏡のレプリカ

 目を引くのが、直径46.5センチと国内最大の銅鏡で、国宝に指定されている「内行花文(ないこうかもん)鏡」(展示はレプリカ)。平原遺跡からは、この鏡を含む40枚もの銅鏡や大量のガラス玉などが出土している。

 また、三雲南小路遺跡から出土した金銅製四葉座(しようざ)飾金具(福岡県指定文化財)は、古代中国で貴族の棺の飾りとして使われていた。伊都国王が中国皇帝から授けられたものとみられている。


三雲南小路遺跡から見つかった金銅製四葉座飾金具


 このほか、全国有数の銅鐸出土地である四国の阿波地域(現在の徳島県)の遺跡群についても紹介されており、これら遺跡と吉野ヶ里遺跡を比較しながら、邪馬台国や当時のクニについて検証する内容になっている。

 吉野ヶ里歴史公園の担当者は「伊都国の遺跡からは中国との強い関わりを感じさせる副葬品が見つかっている。展示品から弥生人が様々な地域と行った交流を想像してほしい」と来場を呼びかけている。

 毎年開催されている「よみがえる邪馬台国」シリーズの16回目で、観覧無料(別途入園、駐車場料が必要)。開館時間は午前9時から午後5時まで。問い合わせは吉野ヶ里歴史公園(0952-55-9333)へ。


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