【大分】地熱発電の未来を考える 大分市でシンポを開催

 地熱発電の未来について考える大分県主催のシンポジウムが10月13日、大分市で開かれた。新たな資源開発や温泉熱を利用した農業に取り組む企業の関係者らが登壇し、地熱にかける思いを語った。


地熱発電の未来について語り合うパネリストたち

 地熱発電は地下1000~3000メートルに達する井戸を掘り、吸い上げた熱水(蒸気)でタービンを回す。化石燃料を必要としない再生可能エネルギーで、天候や時間帯にかかわらず安定的に発電できることから「ベースロード電源」と位置づけられている。

 県内には国内最大の八丁原発電所(九重町)をはじめ、小規模のものも含めると約50の地熱発電所があり、全国一の発電量を誇る。

 専門家による基調講演に続いてパネルディスカッションがあり、大分県由布市で資源開発に取り組むマルマタ地熱(大分県日田市)代表取締役の合原幹知さん、温泉熱を使ってパプリカとトマトを栽培しているタカヒコアグロビジネス(九重町)取締役の大久保翔太さん、アルピニストの野口健さんらがパネリストを務めた。

 このうち大久保さんは、約3ヘクタールの温室に温泉熱を取り入れることで、年間約1000トンの二酸化炭素(CO2)削減につながっていることなどを紹介。「地熱は『日本一のおんせん県おおいた』ならではの地産地消エネルギー。いずれは全てを地熱で賄えるような、小さな町をつくってみたい」と夢を語った。


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