【山口】”クリスマス市”を合言葉に山口市で多彩な催し
日本で初めてクリスマスを祝ったとされる山口市の各地で、「12月、山口市はクリスマス市になる。」を合言葉にしたイベントが開催されている。イルミネーションやコンサートなど様々な催しが計画されており、主催する実行委員会の担当者は「クリスマスで地域を盛り上げたい」と意気込んでいる。
12月3日夜、同市の亀山公園では、旧サビエル記念聖堂(1991年に焼失)を模したイルミネーションに、多くの親子連れらが集まっていた。
イルミネーションは高さ約8.5メートル。約15万個の青や白色のLEDが使用され、12月31日までの午後5~10時に光で彩られる。子ども2人と訪れた同市の公務員は「とてもきれいで子どもも喜んでいた。クリスマスの雰囲気を感じられてよかった」と笑顔を見せた。
クリスマス発祥の地
山口市が「クリスマスの発祥の地」とされているのは、宣教師ルイス・フロイスの著書「日本史」の記述に基づく。室町時代の守護大名・大内義隆が宣教師フランシスコ・ザビエルの願いを受け入れてキリスト教の布教を許した。1552年12月、キリストの誕生を祝う「降誕祭」が日本で初めて、山口で開かれたことがきっかけとなっている。
山口商工会議所などでつくる実行委によると、イベントはこのことを市民らに知ってもらおうと、1997年から開催。28回目となる今回は、イルミネーションの点灯をJR新山口駅や山口大吉田キャンパス、中原中也記念館などで実施している。阿東地域交流センター地福分館では12月21日~2025年1月13日、30メートル近い2本のモミの木に電飾を施した巨大なクリスマスツリーが現れる。
イベントでは、12月7日に山口県教育会館で絵本作家の長谷川義史さんによる絵本の読み聞かせや、その場で絵を描きながら物語を展開する「ライブ紙芝居」を開催。12月21日には、旧県会議事堂で地元楽団によるジャズコンサートとチャリティーバザーが開かれる。
他にも様々な企画が予定されており、特設ホームページで確認できる。実行委事務局の伊藤達也さんは「多くの人に来場してもらい、山口市がクリスマス発祥の地となった歴史に触れながら楽しんでもらいたい」と呼びかけている。