【佐賀】深川製磁130年の歩み 九州陶磁文化館で記念展

 有田焼の製造販売会社「深川製磁」(佐賀県有田町)は創業130年の記念企画「百年工房に生きる技展」を2月4日から、佐賀県立九州陶磁文化館(同)で催す。9日まで。入場無料。

 1894年(明治27年)創業の同社は、2024年度にさまざまな周年事業を展開。有田焼の粘土づくりから製造、販売まで一貫して行う同社が、明治期から継承してきた「技」に主眼を置くのが今回の企画展という。会場では、130周年記念の作品をはじめ、絵付け技術を伝える「意匠図」など約300点が並ぶ。同社の伝統工芸士7人が連日交代で絵付けの技術を披露する。


「色絵龍鳳凰文蓋付大壺」 (深川製磁提供)


 同社が所有する県重要文化財「色絵龍鳳凰文蓋付大壺(いろえりゅうほうおうもんふたつきおおつぼ)」は1900年の第5回パリ万国博覧会に向けて制作された。創立者の深川忠次が3年以上かけて完成させた一対の大壺のうちの1点で、総高204センチ。24年4月に指定された際は「壮麗な文様とその構成は超絶技法として明治有田磁器の集大成と呼べる作品」と高く評価された。会場から約4キロ西にある同社の「チャイナ・オン・ザ・パーク」で展示しており、観覧無料。同社は「九陶で楽しんだ後、巡っていただきたい」と話す。企画展の問い合わせは同社(0955-46-2251)へ。


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