【山口】リレー方式で「お譲り交換会」 萩市で2~5月に

 使わなくなった品々を地域で譲り合う「お譲り交換会」のリレーイベントが2月から5月にかけて山口県萩市椿の古民家喫茶「亀の家」と市内の寺、近く開店予定の古民家カフェの計3か所で開かれる。亀の家の店主・中原早霧さんが「年間を通じて交換会を開けたら」と提案して実現した。関係者は「リレー方式で譲り合いの輪を地域に広げたい」と張り切っている。

「譲り合いの輪を地域に」


リレー方式でお譲り交換会の通年開催を目指す中原さん

 交換会は中原さんが店に人が集うきっかけにしようと、2024年春に初めて開催。物を持ち寄る、持ち帰るのどちらか一方でもよく、2回目の昨夏は地域住民らが寄せた約1000点の品や旬の野菜の約8割が持ち帰られ、好評だった。

 お金を介さない交換会は売り上げを伴わないが、市中心部から外れ、地元でも知る人が少なかった古民家喫茶の認知度が高まり、市外からの来客が増えたという。3回目の今回はこうした物を譲り合う人の輪の効果に着目し、リレー方式で開催する。地域への貢献が狙いだ。


持ち寄られた皿やコップなどの食器が古民家の軒下に並ぶ昨夏のお譲り交換会(2024年7月撮影)


 初参加する同市恵美須町にある寺「端坊(はしのぼう)」の住職の妻、栄るり子さんは昨夏、亀の家の交換会に友人と訪れた。「こんな風にお寺にも地域の人が気兼ねなく足を運んでくれるとありがたい」と感じ、開催を引き受けた。本堂を会場にする意向で「もったいないの精神は阿弥陀様の教えにも通じる」と話す。


4月にお譲り交換会が初開催される「端坊」

 もう一人は同市明木の古民家カフェ「ザサッシーズ」を3月にも開店する同市の笹瀬香織さん。24年夏の亀の家の交換会を手伝い、「お金では買えない人の絆の大切さに気付かされた」と語る。「持ち寄った人が物に込めた思いを大切に、持ち帰る人へとつなぐ。その過程で色んな人と自然に会話が生まれる。やってみたかった」と楽しみにしている。

 中原さんは今後も年間を通じた開催を目標にリレー方式の交換会を増やしたいと考えている。「交換会はお店や施設を起点に人の輪を広げ、にぎわいを創出できる。開催を希望する人は一声掛けてほしい」と呼び掛けている。

市内3か所で

 開催期間は亀の家が2月15日~3月25日(午前10時~午後4時)、端坊が4月1~25日(午前9時~午後4時、4月14、15日の両日は法要のため午前11時~午後1時半)、ザサッシーズが5月1~25日(午前10時~午後2時)。持ち寄ることができるのは春夏用の衣服、萩市内の学生服、賞味期限内の食品、季節の野菜など。冬服、汚れのある衣服、カビ・傷・においのある品物、大型の家電や家具、スプレー缶などは受け付けない。

 期間中、2店には不定休があり、来店前に確認が必要。問い合わせは中原さん(050-3647-1039)、笹瀬さん(090-4621-4624)へ。


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