【宮崎】学生のアイデアが詰まった公園 木城町へ設計案

 宮崎県木城町と包括的連携事業に取り組む南九州大の学生らが、町が整備を予定する公園の基本設計案を策定した。ビオトープを設けるなど子どもたちが遊びながら学べる造りとするとともに、緊急時にかまどとして使えるベンチを置くなど防災対応にも目配りしている。町は同案を基に2025年度から詳細設計に入り、28年度の供用開始を目指す。

南九州大生らが策定

 公園の予定地は町立の小中一貫校「みどりの杜(もり)木城学園」北側にある同町椎木の約4000平方メートルの町有地。計画策定は、都城市のキャンパスで学ぶ同大環境園芸学科造園計画研究室(関西剛康副学長)の学生らが町の依頼を受けて取り組んだ。


公園の基本設計案を説明する金子さん(中央)

 学生らは23年度、公園に関する要望を取り込もうと住民へのアンケート調査などを行ったほか、24年度は同研究室4年の金子凌馬さんが中心となり、町役場職員や同学園関係者らと意見交換を複数回実施。最終案としてまとめ、町役場で1月10日、半渡英俊町長らに報告した。

ビオトープやかまどベンチ

 案では、公園中央に日差しなどを遮ることができるあずま屋を配置。中には緊急時にかまどとして使えるベンチを置き、そばの水遊び場には手押しポンプを設置するなど防災機能を充実させた。水遊び場の水が流れた先にはビオトープを設け、観察デッキから水辺の生物について学べるよう工夫も施している。


南九州大の学生らが策定した公園の基本設計案(提供:木城町)

 当初は予定地内の西側に町民菜園を配置する予定だったが、害獣対策といったコスト面などの課題から断念。クヌギやコナラなどを植える「どんぐりの森」に変更し、東側の遊具エリアはアンケートで人気の高かった遊具を多数設置するのではなく、複合遊具を設けることでスペースを確保した。

「子どもたちの思い出の公園に」

 金子さんは「一次避難所としても活用できる。様々な学びにつながる施設もあり、子どもたちの思い出の公園になってくれたら」と語った。

 町と南九州大は地域の活性化や学術研究の発展などに向け、連携協定を結んでおり、金子さんらの説明を受けた半渡町長は「協定によって色んな気付きがあった。今後もお手伝いいただけるのは大変心強い」と感謝した。関西副学長は「学生たちも貴重な経験ができた。(完成後の)運営計画などでも協力していきたい」と応じた。


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