【山口】AI活用の乗り合いタクシー 田布施で実証運行

 山口県田布施町はAI(人工知能)を活用した予約制の乗り合いタクシーの実証運行を始めた。約1年間取り組み、乗客の利用状況や意見をもとに検討したうえで新たな公共交通として導入を目指す。


実証運行が始まった乗り合いタクシー「のりーね」

 乗り合いタクシーの愛称は「のりーね」。町の委託を受けた町内のタクシー会社が運行し、客を6人まで乗せることができる。予約状況からAIが効率的に複数人が乗車できる最適なルートを割り出し、運転手が送迎する。AIは島根県の交通コンサルタント会社「バイタルリード」のシステムを活用する。

 運行は2台体制で、平日の午前9時~10時20分頃にあらかじめ決められた地域を回り、午前10時半~午後3時45分(午前11時半~午後1時は運転手の休憩時間)は予約に応じて配車する。

 利用できるのは町内の在住者で、事前登録が必要。料金は口座引き落としの月額3500円の定額制とし、電話とインターネットの専用サイトで予約を受け付ける。利用は登録者1人につき1か月20回を限度とする。2024年度の事業費は国の補助金を含め約2900万円。

 2月3日に町保健センターで運行開始を記念する出発式が開かれ、関係者約40人が出席した。東浩二町長は「高齢者に加え、妊婦といった幅広い人々の役に立ってほしい」と期待を寄せていた。


advertisement