【熊本】県立劇場と九響が連携協定 地域文化の振興へ

 熊本県立劇場は、福岡市のプロ・オーケストラ、九州交響楽団(九響)と包括連携協定を締結した。期間は2025年度から2年間。本格的なオーケストラ公演や教育プログラムの開催を通して、クラシック音楽を通した地域文化の振興を進めていく。

本格オーケストラや親子コンサート


協定を締結した姜館長(右)と桜井理事長

 九響は1953年、NHK熊本、福岡局の放送管弦楽団や九大フィルなどのメンバーにより結成され、73年にプロ・オーケストラとなった。年間約150回の演奏活動を行っているが、これまで定期演奏会など活動の中心は福岡県内に限られていた。

 熊本県立劇場で2月13日に行われた調印式には姜尚中館長、九響の桜井文夫理事長らが出席。「県内での公演」「アウトリーチ(出前演奏会)等の地域文化振興」など、4項目で連携していくことで合意した。

「地元の楽団」へ

 第1弾として4月19日に、同劇場で0歳児から入場できるコンサートを催す。3歳未満(保護者のひざ上)は無料。未就学児が入場できるオーケストラのコンサートは少なく、親子でモーツァルトやチャイコフスキーの生演奏を楽しめる。

 11月8日には本格的なオーケストラ公演を開催。福岡の定期演奏会と同じプログラムで、地方では演奏機会が少ないストラビンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」などを取り上げる。共同主催という形をとることで、公演にかかる双方の経費負担を抑える。

 姜館長は「プロ・オーケストラと提携できたことは劇場にとって飛躍のチャンス」と語り、「アウトリーチなどを通して一流の音楽に触れる機会を広く提供していきたい」と今後の展望を語った。桜井理事長は「“福岡から来た楽団”ではない、熊本県民の方々に親しまれる地元の楽団を目指したい」と話した。

 公演の問い合わせは同劇場(096-363-2233)。


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