【大分】臼杵のフグを世界に 木梨ふぐ九州店が挑戦!
大分県臼杵市の食文化を代表するフグを世界に広めようと、フグ専門加工卸店「木梨ふぐ九州店」(臼杵市板知屋)の3代目・木梨桃子さんが4月9、10日、シンガポールで開かれるビジネスマッチングイベントでフグの魅力をPRする。同国は日本食が人気で、同社は2年以内に現地法人を設立し、同国での販路拡大に乗り出す考えだ。
シンガポールで販路拡大めざす
同市は「フグの王様」と呼ばれるトラフグの漁場・豊後水道に面し、市内には20店舗以上のフグ料理店が軒を連ねる。市内で水揚げされたフグは新鮮で身に弾力があることから、薄く切るのが一般的なフグ刺しを厚めに切って食べる特徴がある。
木梨ふぐ九州店は、市内外から高品質な養殖フグを中心に年間約80トンを仕入れ、有毒部位の内臓や皮を取り除いて市内や県内、東京などに出荷している。
「人を呼び込むきっかけに」
同社によると、フグは近年、訪日外国人にも人気が高いが、多くの国で輸出や販売が制限されている。シンガポールは、2022年8月に養殖フグの可食部位の輸入に関する規制が全面解禁された。
同社はこれまで、海外輸出はしてこなかったが、国内市場が縮小傾向にあり、販売が伸び悩んでいることから海外での販路拡大に挑戦することにした。市を代表するフグの味を世界に広め、インバウンド客を市内に呼び込む狙いもある。
木梨さんは7日、市役所を訪れ、西岡隆市長に出発前の意気込みを報告。「今回で足がかりをつくり、シンガポールで臼杵のフグが食べられる土壌作りをしたい」と話し、西岡市長は「シンガポールでの成功が臼杵に人を呼び込むきっかけになることを期待している」と激励した。