【宮崎】JR高鍋駅の大規模改修が終了 活性化の拠点に

 JR高鍋駅(宮崎県高鍋町)で町が進めていた駅舎の大規模改修工事が3月に完了し、新しくなった駅舎内で乗客らが心地よさそうに列車を待つなどしている。観光案内所や、物産展などイベントが開催できる多目的スペースが設けられ、地域活性化の拠点としての役割も期待を集めている。


改修工事が完了したJR高鍋駅舎


 駅舎は2020年に町がJR九州から有償(約97万円)で譲渡を受け、24年4月から約1億5900万円をかけて改修工事を進めていた。完成した駅舎は木造ステンレス鋼板ぶき平屋建てで、延べ床面積は262平方メートル。外観は落ち着いた黒を基調にしている。


 駅舎内はきっぷ売り場の他に、駅舎の指定管理者となった町観光協会が町中心部から移転して観光案内所を設置。広々とした待合室には21年に町へ寄贈されて旧駅舎にも置かれたグランドピアノが再度設置され、自由に弾けるようになっている。


きれいになった駅舎内。自由に使えるピアノも置かれている


 さらに改修にあたっては、地元の住民や学生らへのアンケートも実施。待ち時間に学習ができるスペースがほしいとの要望が多かったことから、イベントを開ける約37平方メートルの多目的スペースを設け、通常は机を置いて列車を待つ生徒らが学習や飲食で自由に使えるように。無料でWi-Fiも利用できる。


 4月13日には完成記念式典が行われ、黒木敏之町長が「高鍋駅は町の玄関であり、多くの人の交流拠点。駅が町の活性化の一助になっていくことを祈念したい」とあいさつ。高鍋高吹奏楽部の生徒らが演奏を披露して完成を祝った。


式典でテープカットを行う関係者ら


 同部の生徒(17)は、日向市の自宅から電車で通学しており、駅舎改修について「電車を1時間待つこともあり、待ち時間に勉強しやすくなってありがたい」と笑顔で語った。


 多目的スペースと外の芝生では定期的にイベントが開かれる予定。第1弾として20日午前9時~午後1時に「かぐちの月市」を開催。野菜など地域の物産展やアートイベントが行われる。


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