【大分】熱中症を防げ! 県HPで「一時休憩所」を紹介 

 熱中症による健康被害を防ごうと、大分県は外出時に休憩や水分補給ができる「熱中症一時休憩所」の設置を進めている。2024年度は6月25日時点で公共施設やコンビニエンスストアなど、過去最多の県内657か所が協力。県のホームページ(HP)で公表しており、県は「暑い時は無理せず休憩してほしい」と呼びかけている。


熱中症一時休憩所のポスター(大分県提供)

 6月29日午後、大分市中心部の市府内五番街商店街振興組合の事務所を訪れると、ひんやりとした空気がほおに触れた。ガラス張りの扉を開けると、藤井俊之副理事長らに笑顔で出迎えられた。

 事務所は普段から県内のイベント情報などの案内所の機能を兼ねており、気軽に入れる雰囲気作りを心がけているという。夏本番を前に、藤井さんは「地域住民や買い物客に立ち寄ってほしい」と話した。

 休憩所の設置は、高知県で当時の観測史上最高気温となる41度を記録した2013年の猛暑を受け、翌年に県が独自に始めた。県のマスコットキャラクター「めじろん」と「熱中症を予防しよう!」などと書かれた青色ののぼりやポスターが目印。

 設置要件としては、エアコンが整備されていること▽座って休憩できること▽飲み物が購入できるなど水分補給ができること――が望ましいとしているだけ。24年4月に施行された改正気候変動適応法で熱中症特別警戒アラート発表時に施設の開放が義務付けられる「クーリングシェルター」よりハードルが低い。

 期間も、熱中症による救急搬送患者数が多くなる6~10月頃のうち、施設が対応可能な時だけでいい。

県内657か所が協力

 設置箇所はコロナ禍で一時減少したが、24年度は6月25日時点で県庁や県立図書館、保健所といった公共施設のほか、コンビニや薬局なども参加して657か所(前年比85か所増)になった。内訳は大分市が199か所で最も多く、中津市62か所、日田市59か所、別府市57か所と続く。

 県内では、23年5月1日~10月1日に1079人が熱中症で救急搬送された。県健康政策・感染症対策課の吉良千奈津主任は「熱中症にならないためには予防が大事。外出の際はできるだけ無理をせず、休憩所を活用してほしい」としている。

 設置場所や利用時間は県の専用HPで確認できる。協力施設も随時募集している。


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