【佐賀】「佐賀ラーメン」ブランド化へ県が情報発信強化

 佐賀県は2025年度から、「佐賀ラーメン」のブランド化に乗り出す。「佐賀ラーメン史」の編纂(へんさん)や情報発信の強化などに取り組み、県内外からの誘客を図って地元飲食業の活性化につなげたい考えだ。開会中の県議会定例会に関連事業費約1650万円を盛り込んだ25年度一般会計当初予算案を提出している。

「食文化」として魅力UP!

 佐賀ラーメンは、やや太めで軟らかいストレート麺、塩分や脂が控えめの豚骨スープ、生卵やノリをトッピングするといった特徴があるが、明確な定義はなく、店ごとにも味わいが異なる。

 県によると、インターネット上での検索数は博多や久留米、熊本といった近隣地域の豚骨ラーメンより少なく、公式なPR団体もないが、県の企画で2024年3月、有田焼のラーメン鉢で有名店の味を提供するイベントが佐賀市で初めて開かれた際には、2日間で約1900人が来場した。

 また、コロナ禍から回復傾向にある訪日外国人客にラーメンが人気なこともあり、地元で愛されてきた歴史をひもとき、「食文化」としての魅力度向上を図ることにした。

 佐賀ラーメン史は、発祥の経緯や老舗の系譜などを整理。文献や新聞記事などを調べ、県内のラーメン店主への聞き取り調査も計画している。また、地域おこし協力隊員1人を配置し、ラーメン店で修業するなどして店主らと関係を構築しながら、情報発信につなげるという。

 6日は県議会農林水産商工委員会で委員から質問があり、県産業政策課の水町智子課長は「国内だけでなく、世界からも注目されるブランドとして確立し、地域経済の活性化につなげたい」と強調。また、「それぞれの店に歴史やエピソードがあり、独自の個性が光っている」として、県内各地に多彩な店があることもPRする考えを示した。


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