【山口】湯田温泉に観光交流拠点「こんこんパーク」が完成
山口市が同市湯田温泉5に整備を進めていた観光交流拠点「湯田温泉パーク(愛称・湯田温泉こんこんパーク)」の完成式典が5月27日、現地で開かれた。入浴施設や足湯に加え、270インチの大型スクリーンや遊具を備えた広場などがある。6月1日にオープンする予定で、関係者からは、山口観光の一層の浮揚を期待する声が上がった。
あそびば、まなびば、たまりば
施設は鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建て。敷地面積は約8090平方メートル(延べ床面積約3040平方メートル)。市は、温泉資源を活用した交流拠点の創成を目的に2018年度に基本構想の策定に着手し、23年10月に着工していた。52台分の駐車場は11月に完成する予定で、全体の総工費は約42億円を見込んでいる。
施設の基本概念は、生き生きと遊ぶ「あそびば」、わくわく学ぶ「まなびば」、のんびりと過ごす「たまりば」。温浴棟には、庭の景色を楽しみながら入浴できる「森の湯」と、吹き抜けから日差しが差し込む「空の湯」の2種類の浴室を整備した。貸し切り風呂もあり、車いす利用者が入浴できるよう、床が昇降するようになっている。
これら屋内の温泉は循環濾過(ろか)式。芝生広場に面する屋外の足湯は源泉掛け流しとなっている。
「湯田温泉の恵みを気軽に!」
芝生広場には、白ギツネが同地の温泉を見つけたとされる伝説にちなんで「白狐(びゃっこ)」をモチーフにした遊具を配置した。交流棟の2階には障害児も遊べるインクルーシブ遊具を設けた。
大型スクリーンのある「こんこん広場」では、サッカーJ2・レノファ山口の第22節(7月5日、北海道コンサドーレ札幌戦)からのアウェー戦で、パブリックビューイングを行うことにしている。冬場の電力消費量を抑えるため、こんこん広場の床は、温泉熱を利用した床暖房を採用した。
このほか「温泉交流スペース」では、市内21地域の情報を映像で発信し、県内の大学など様々な機関と連携したイベントを実施する。
この日の式典には約150人が出席。シンガー・ソングライターのちひろさんが、自身の作詩作曲した「湯田温泉にKON来ん?」を市立湯田小の児童と歌い、関係者がテープカットで祝った。
伊藤和貴市長は「交流の拠点、有力な観光スポットとして活用したい。天候を気にせずにイベントを実施でき、湯田温泉の恵みを気軽に楽しんでもらえる。都市の価値向上につなげたい」と語った。
開館時間は午前6時~午後10時。入場無料。浴室の利用時間は午前6時~午後8時。入浴料は市内の小学生200円、中高生300円、大人600円。市外の人はそれぞれ300円、400円、800円。