【山口】湯田温泉にあうビール!「こんこんエール」が誕生

 山口市の観光交流拠点「湯田温泉こんこんパーク」に新たな名物が誕生した。その名も「こんこんエール」。山口大国際総合科学部4年の松本昂大さん(22)が海外留学で感じた「アルコールの魅力」を生かして市を盛り上げようと開発を提案し、約1年かけて完成までこぎ着けたこだわりのビールだ。

留学体験をいかして

 口に含んだ瞬間にさわやかな味わいが広がり、しっかりとした酸味が後味で残る。クラフトビールならではの口当たりの軽さも爽快さを引き立てる。「原料に入っていないのに、マンゴーのような香りがある」と松本さん。販売している「こんこん食堂」によると、売り上げは順調に伸びているという。


「こんこんエール」をPRする松本さん


 こんこんエールの開発プロジェクトは2025年1月に始まった。松本さんは23年9月~24年8月にドイツに留学し、現地でオクトーバーフェストやクリスマスマーケットなどに10回以上参加。会場では国籍などの壁を越えて、来場者同士がアルコール飲料を飲んで楽しそうに交流している雰囲気にひかれ、自身も積極的に飛び込んだ。


 帰国後、まちづくりをテーマにした卒業論文に取り組むことになり、「地元に密着したビールを地域振興の起爆剤にしたい」と考えたという。

 24年12月頃に開かれた湯田温泉の組合の会合に出席し、ビールの開発を提案すると、山口市の担当者らが賛同。ビールをつくっている「山口地ビール」や農作物の生産卸売業などを手がける「秋川牧園」を紹介してもらった。基本理念を決めるために30~40種類のビールを飲み、同施設が温浴施設でもあることから、「風呂上がりや暑い夏で火照った体に染み渡る爽快感のあるビール」を目標にした。

地域振興へ!一丸に

 原料の麦は、農薬や化学肥料を使用せずに市内で栽培。天日干ししたものを秋川牧園が供給し、山口地ビールが仕上げた。25年5月末頃に市内で行われたクラフトビールのイベントで、「『名前はまだない。ビール』共創プロジェクト」と銘打って来場者に試飲してもらい、味や名前への意見を聞いた。

 味については「香りは良かったが、苦みが強い」「ビール好きには刺さる」などの感想が寄せられ、参考にして改良を重ねた。同8月頃に芳醇(ほうじゅん)な香りとほどよい苦みを持つビールにたどり着き、早速、市内の朝マルシェや日替わり居酒屋で市民らに飲んでもらった。「かなり好評でたくさん飲んでもらえた」と手応えを感じたという。

 名前は、この地の温泉をキツネが見つけたという「白狐(びゃっこ)伝説」にかけて「こんこんエール」に。地域と行政、企業を巻き込んだ地域振興にこだわり、ロゴは同大のデザインサークルに依頼した。

 2月下旬に湯田温泉こんこんパークで完成品のお披露目式があり、多くの来場者でにぎわった。大学卒業後の4月からは福岡県で暮らす予定の松本さんは「温泉に合う、湯田に合うビールになった。この施設ではサッカーJ3・レノファ山口の試合のパブリックビューイングもあるので、様々な場面で愛飲してほしい」と笑顔を見せる。

 同施設の飲食店でのみ購入でき、Sサイズ700円、Mサイズ900円。3月末までは、こんこんエールを含む地ビール3種から一つとフグの塩辛、アンコウの唐揚げのセットを1000円で楽しめる。


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