虚無僧が尺八を吹きながら夜道をひとり歩いていく……。私の頭にそんな光景が浮かぶ尺八は、どこか近寄りがたさを感じてしまう和楽器です。この日本古来の竹笛を気軽に楽しんでほしいと、水道管などに用いられる塩化ビニール管で尺八を作り、奏法を教えている人が北九州にいると聞き、会いに行きました。 尺八歴60年超の大ベテラン 塩ビ管で尺八を作る達人は吉田秦山さんです。幼いころから尺八に親しみ、大学生のときに独学で本格的な練習を始めました。尺八歴60年を超える大ベテランです。よみうりFBS文化センター(北九州市小倉北区浅野)の講座で30人以上を指導し、定期的にリサイタルも開催しています。 尺八は長さ1尺8寸(約54センチ)が基本で、これが名前の由来になっています。長いもの、短いものがあり、長いほど音が大...