飛行機の引き取り手を募集!福岡市・貝塚公園の「青い鳥号」

福岡市が引き取り手を募っている貝塚公園の飛行機

 「飛行機、いりませんか?」――。福岡市は、東区の貝塚公園で半世紀以上展示している飛行機を無償で譲り渡すことにし、有効に活用してくれる引き取り手を募っている。市の担当者によると、公園内に旅客機が"鎮座"していること自体が珍しいが、「無償譲渡の公募は、これまで聞いたことがない」という。

イギリス製小型機「ヘロン」


福岡競輪場の跡地に整備された貝塚公園


 貝塚公園は、1962年に廃止された福岡競輪場の跡地に整備された。飛行機のほか、9600形蒸気機関車や20系寝台客車(ブルートレイン)などの乗り物を展示している交通公園だ。


公園のシンボルとして半世紀以上親しまれてきた


 譲渡する飛行機は、全長約15メートル、翼幅約22メートル、重さ約4トンのイギリス製旅客機「デ・ハビランドDH-114ヘロン」。設置から半世紀以上がたち、老朽化による部品落下などの危険を考慮して、現在は立ち入りを制限しながら展示している。


国内で現存するのはわずか2機


 1968年に旧東亜航空(現在の日本航空)が寄贈し、分解して広島から運んで現地で組み立てられた。1950~60年代を中心に近距離路線で活躍した定員14人の小型機で、国内に現存する同系の機体は広島県にある1機のみだという。


塗装は所々はがれ落ち、老朽化が進む


 かつて「青い鳥号」の愛称で大空を飛んだ機体。設置当時は、はしごを上って機内に入り、操縦席でパイロット気分を味わうこともできたそうだ。しかし腐食が進んだため、2016年には周囲に柵が設けられた。塗装は所々はがれ、歳月の重みを物語る姿になっている。

光が改めて当たる場所に…


屋根の下で展示されている「ジープニー」(中央)と2台の「サムロー」


 飛行機のほか、自動車3台も無償で譲渡する。対象の車両は、フィリピンの18人乗りバス「ジープニー」と、タイの三輪自動車「サムロー」2台。いずれも福岡市で1989年に開催されたアジア太平洋博覧会に関連して導入・寄贈されたもので、今は色あせた車体に長年のほこりをまとっている。


引き取り手が見つからず、公募に踏み切った


 福岡市によると、貝塚公園は2027年度から再整備を予定している。補修費が数千万円にのぼる飛行機は、展示の継続が難しいとの判断から、博物館や専門学校などに譲渡を打診したが、引き取り手は見つからず公募に踏み切ったという。


遊具とともに公園になじんでいる


 募集は福岡市のホームページで5月29日まで。移設費用などは引き取り手の負担となり、転売目的での応募は禁止。応募者が複数の場合は抽選で決定する。


「青い鳥号」の行方が注目される


 3月2日から募集を始め、個人などからすでに数件の問い合わせが寄せられているそうだ。公園の風景の一部として親しまれてきた乗り物に光が当たる場は見つかるのか――、行方が気になる。




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