宗像の小学生が清掃活動を通して海の環境を体感

記事 INDEX

  • 小学5年生165人が参加
  • ロボットでごみを運搬
  • 漁師が海の環境を解説

 小学生が海岸清掃に取り組んで、環境の課題を実体験する学習が9月13日、福岡県立少年自然の家「玄海の家」(宗像市)内のさつき松原海岸で行われました。

小学5年生165人が参加


福岡県立少年自然の家「玄海の家」に集まった児童たち

 清掃活動に参加したのは、宗像市立赤間小学校の5年生165人。環境の課題を知り、自ら進んで考え、行動してもらおうと、「総合的な学習の時間」の授業の一環として実施しています。


回収したごみの一部

 児童たちは、ごみのラベル表記や分別について、学校の授業で事前に学習しており、この日の活動では学んだ内容をいかし、燃えるものやペットボトルなど種類ごとに分けながら海岸のごみを回収しました。約40分の活動で50キロものごみが集まり、中には韓国や中国、フィリピンなどからの漂着物もありました。

ロボットでごみを運搬

 清掃活動には、九州工業大学の研究者や学生らで組織する一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会(宗像市)も参加し、ごみを運搬する自走式ロボットを動かしました。


海岸を進む自走式の運搬ロボット

 BC-ROBOPは、"ビーチクリーンロボットプロジェクト"の略称です。ロボットと市民が一緒に海をきれいにする社会を目指し、普段からロボットを使った海岸清掃に取り組んでいます。


大きなごみをロボットで運搬

 ロボットの前方にはカメラが設置されており、検知した人の後を追うようにプログラミングされています。GPSも搭載しているため、あらかじめ指定したルートを走行することも可能です。

 清掃活動の際には、重量のある漁網や大きな発泡スチロールなどをロボットに備え付けられたボックスに入れて運搬することで、効率的にごみを集めることができます。この日の活動でも、その力を発揮しました。 

漁師が海の環境を解説

 清掃活動の後は、漁師で一般社団法人シーソンズ(宗像市)代表理事の権田幸祐さんが講師を務め、海の環境について講演しました。権田さんは、2050年には海のごみの量が魚の量を上回る計算になるとし、海にごみを流出させないように一人ひとりが心がけてほしいと呼びかけました。


海の環境について解説する権田さん

 講演を聞いた児童からは「親や周りの人に海の環境を伝えたい」「海をきれいにするボランティアに参加したい」といった声があがりました。清掃活動で集めたごみは、後日、アートを制作する材料として利用する予定です。